■養父譲りの頑固さとゲリラ魂で修羅場を往く「じゃじゃ馬姫」――カガリ・ユラ・アスハ
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場したカガリ・ユラ・アスハは、主人公キラ・ヤマトとは双子の関係ながら、中立国オーブ連合首長国の元首の娘(養女)という正真正銘のプリンセスだ。
だが、そんな彼女の言動は男勝りで武闘派そのもの。姫らしからぬ行動力を持ち、父親に黙って新型MS開発の調査に赴き、その後はレジスタンス組織に身を投じて泥だらけになりながらゲリラ活動に明け暮れている。
元首の娘という、本来は高貴な身分にありながら常に前線で体を張り、オーブ国防軍から根強い人気を獲得。キラと同じ遺伝子を持つだけあって身体能力も高く、自然分娩で生まれた“ナチュラル”ながら、驚異的な戦闘能力を発揮する「SEED」まで発現させた。
『SEED』の後半では、専用MS「ストライクルージュ」を駆ってエースパイロットとして活躍、続編の『SEED DESTINY』では全身金色の「アカツキ」に搭乗することとなる。時には周囲を振り回したり、口の悪さを見せたりするが、その泥臭いまでの人間味とゲリラ魂こそがカガリの武器である。
もうひとりのヒロイン「ラクス・クライン」がカリスマ性のある歌姫であり指導者であるなら、カガリは泣き叫びながら最前線を駆けた直情的なお姫様といえるだろう。
ガンダムシリーズに登場した姫たちの多くは、「物語の飾り」にとどまることは少ない。『機動武闘伝Gガンダム』のマリアルイゼのように無邪気さで周囲を翻弄する者もいれば、『機動戦士ガンダムUC』のミネバ・ラオ・ザビのように、己の血筋に翻弄されながらも大きく飛躍した者もいた。
そういった気高きプリンセスたちがそれぞれの行動で存在感を示したことで、物語やドラマは一層深まり、予測不能な展開へと昇華されたのかもしれない。


