「ものまね四天王」によって空前のブームが巻き起こった1990年代のものまね。以降、お茶の間で安心して楽しめる“鉄板コンテンツ”となった。そのコンテンツを巡る、フジテレビの『ものまね王座決定戦』と日本テレビの『ものまねバトル』の争いは、土8戦争と並んで語り継ぐべき視聴率戦争だったと言える。
ものまねで重視されることは、似ていて感動することか、誇張していて面白いことか。似た番組をつくる場合、どう他局との違いをどう図るのか。
いまだ語られてこなかった「ものまね芸人の業」と「テレビ局のプライド」に迫るノンフィクション!
『ものまねイデオロギー闘争』第1回 その3

コロッケさんが語る、ものまねの流派としてのコピー派、パロディ派。ものまね芸人は、ものまねをする対象者からお墨付きをもらうべきか否か。後進が追いつけないほどのストイックさで、単身で未踏の”お笑い荒野”を往く男が語る「コロッケの未来」。
――『ものまねバトル』(日本テレビ系)では、原口あきまささんやコージー冨田さん、ホリさんといった次の世代のものまね芸人が台頭します。
コロッケ 彼らは「歌でふざけるのはコロッケさんがやり尽したから、僕らはトークで勝負しよう」と方向性を決めて。実際、原口とコージーによる明石家さんまさんとタモリさんの掛け合いは革命だったと思います。
――コピー派とパロディ派に分けると、彼らはコロッケさんと同じパロディ派になるわけですよね。
コロッケ 「ものまね芸人は、普通のバラエティ番組に呼ばれてもアドリブが利かないから面白くない」という定説があって。僕はそれが嫌だったので、ものまねの哲学を語れるようにしたんです。「森進一さんってニワトリじゃないですか」と言うと、「何を言ってるんだ」と思われるけど、「歌と歌の間のブレスでニワトリになるんです」と実践したら、笑いながら納得してくれました。
でも、原口とコージーはさんまさんとタモリさんのネタをアドリブで広げることができて、それがバラエティ番組で通用したんです。
――『ものまねバトル』では、青木隆治さんや荒牧陽子さんといったコピー派も活躍するようになります。
コロッケ パロディ派ばかりだったところに青木隆治が出てきて。彼がカウンターだったから人気が出たんです。さらに、荒牧や松浦航大につながっていく。コピー派とパロディ派のどっちがいい悪いはなくて、ジャンルが違うんです。日テレには「コピー派とパロディ派でジャンル分けしたほうがいい」と10年以上言ってきて、最近ようやく変わってきました。ただ、お行儀よく歌って「どう?」と聞くようなジャンルなら、コロッケの世界にはなくていい。そもそも求められていないと思うんです。


