「“完璧”とは“絶望”だヨ」最も異質…『BLEACH』「涅マユリ」の規格外の強さと魅力を振り返るの画像
DVD『BLEACH』破面・VS.死神篇 3(アニプレックス)(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ 劇場版BLEACH製作委員会2008

 久保帯人氏の手がけた人気漫画『BLEACH』には、圧倒的な霊圧や卓越した剣技を武器にする強者が数多く登場する。そのなかでも、護廷十三隊十二番隊隊長を務める涅マユリは、明らかに異質な存在感を放っている。

 面妖な黒い化粧に仮面という独特の風貌。その奇抜な見た目だけでなく、言動もまた常軌を逸している。研究のためなら手段を選ばず、自身の肉体さえも改造してしまうマッドサイエンティスト。その一方で敵の能力を分析し、対策を講じ、戦闘そのものを「実験」のように楽しむ姿は、他の死神にはない恐ろしさと強さがある。

 今回は、そんな涅マユリの規格外の強さと、唯一無二の魅力を振り返りたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■浦原喜助に見出された「危険な天才」

 マユリの異質さを語るうえで外せないのが、先代の十二番隊隊長である浦原喜助との関係だ。

 かつてマユリは、尸魂界にとって危険な思想や能力を持つ者を収容する施設「蛆虫の巣」の監獄にただ一人、囚われていた。そんな彼の類稀なる才能に目をつけたのが、当時新たに十二番隊隊長となり、技術開発局を立ち上げようとしていた浦原である。

 浦原は監獄にいるマユリのもとを訪れ、「ボクが死ねば 全てはアナタの思いのままだ」という言葉とともに、技術開発局の副局長という破格の条件を提示してスカウトした。その後、“ある事件”によって浦原が尸魂界を追われると、マユリは十二番隊隊長と技術開発局二代目局長の座を引き継ぐことになった。

 監獄に囚われていた男を、浦原は自らの後継者ともいえる立場にまで引き上げたのである。この異例の経歴だけを見ても、マユリがいかに危険な才能を秘めていたのかが分かるだろう。

■卍解すら「改造」するマッドサイエンティスト

 マユリにとって、研究対象とならないものは存在しない。自身の肉体を改造し、毒や薬を自在に操る。その異常なほどの探求心は、ついに死神の魂そのものである斬魄刀にまで及んだ。

 その斬魄刀こそが「疋殺地蔵」である。始解の時点で、斬った相手の四肢の動きを封じる特殊な毒を注入するという異様な能力を持つ。卍解「金色疋殺地蔵」は、巨大な赤子のような姿へと変化し、周囲に猛毒を広範囲に撒き散らす。

 さらに「千年血戦篇」では、その卍解そのものを改造した「金色疋殺地蔵・魔胎伏印症体」が登場する。これは戦闘中にマユリが収集した情報をもとに、敵に対応する新たな疋殺地蔵をその場で生み出すという、研究者・マユリならではの改造卍解だった。

 「“完璧”とは“絶望”だヨ」

 十刃(エスパーダ)のザエルアポロ・クランツとの戦いでそう言い放ったように、マユリにとって“完璧”とは、すなわち進化が止まった状態だ。完成したものに満足することなく、常に改良を重ね、更新し続ける。だからこそ斬魄刀はもちろん、通常であれば死神にとって至高の技とされる卍解さえも、必要とあらば自らの手で改造してしまうのだ。

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