青山剛昌氏が描く『名探偵コナン』(小学館)には、これまで個性豊かなキャラクターが数多く登場し、それぞれのやり方で主人公・江戸川コナン(工藤新一)のサポートをしてきた。
中でも物語初期から登場し、いろいろな意味で重要な役割を果たしてきたのが鈴木園子である。園子は新一とヒロイン・毛利蘭の幼なじみで、世界的な影響力を持つ鈴木財閥の令嬢。その立ち位置を活かし、コナンたちにさまざまなビッグイベント参加の機会を提供しており、それがなければ始まらないエピソードも数多い。
また毛利小五郎が現場にいない時には、彼の代役として眠らされ、推理を披露する役を担うこともあった。
そんな園子は結構な「巻き込まれ体質」であり、一歩間違えれば殺されていた場面も少なくない。今回はそんな園子の不幸なエピソードをいくつか振り返っていこう。
※本記事には作品の内容を含みます。
■恩師のアリバイ工作に利用される
まず紹介したいのは、コミックス第14巻から第15巻に収録されている「スキーロッジ殺人事件」での出来事だ。
スキー場に遊びに来ていた蘭や園子、コナンは、そこで小学校時代の担任・米原晃子と偶然の再会を果たす。米原は現在杯戸小学校に勤めており、同僚数人とスキー旅行中だった。
やがて天候が悪化し、コナンたちは米原らと貸別荘で一夜を過ごすことに。そんな中、米原と手分けして各部屋のシーツがけをしていた園子の身に危機が迫る。
不審な物音が聞こえて米原の様子を見に行った園子は、彼女が床に倒れているのを発見。その安否を確認していたところ、背後から忍び寄った何者かによって首を締められ昏倒した。
騒ぎを聞きつけてやってきた蘭は、園子が眠っているだけだと気づいて一安心。米原の方も気を失っていただけで、すぐに目を覚ました。しかし、そこから教師のうち2人の男性が殺され、コナンが事件の推理をしていく。
やがて明らかになったのは、事件の犯人が米原だという残酷な真実だ。米原は殺した人間を自分に変装させ、それを園子に発見させることで、被害者であるかのように装った。そして自身は物陰に隠れて様子をうかがい、園子を気絶させた後で被害者の遺体を隠して入れ替わったのである。
つまり園子は、米原のアリバイ作りのためだけに襲われたことになる。恩師が殺人を犯しただけでも大ごとだが、さらに自分にまで手をかけたとなると、彼女のショックは計り知れない。園子と蘭が米原を慕っている様子も描かれていただけに、やりきれなさが残るエピソードだ。
■勘違いで命を狙われまくる
コミックス第22巻に収録されている「園子のアブない夏物語」では、園子はかなり執拗に命を狙われている。きっかけはカメラだった。犯人は茶髪の女性ばかりを狙って殺人を繰り返しており、その現場をたまたま通りがかった園子に撮られたと思い込んでいたのだ(それも結局勘違いだった)。
まず犯人は隙を見て荷物を漁り、カメラを盗み出そうとするが、そこへ園子がやってきて鉢合わせ。首を絞められてナイフで刺されそうになるが、蘭とコナンが現れたおかげで犯人は逃走した。しかしこれだけで相手が諦めるはずもない。
今度は車の中で園子が眠っているのを確認するとサイドブレーキを壊し、車ごと海に転落させようとする。しかし、動く車に気づいた蘭が膝蹴りで窓ガラスを破壊したおかげで間一髪助かった。
ほっとしたのも束の間、園子の災難はまだ終わらない。犯人が森の中におびき出して襲いかかったのだ。その時コナンと蘭は別の怪しげな人物を追っており、園子の危機に気づくのに遅れてしまったが、そこを助けてくれたのが京極真である。
園子に想いを寄せる京極は、本人も「ストーカー」と形容するレベルで彼女のことを見守っていた。それが幸いし、得意の空手で犯人を一蹴。ついでにどさくさに紛れて、園子に好意を伝えている。これが後のラブラブカップル誕生のきっかけになったので、災い転じて福となすとはこのことだろう。
とはいえ、蘭や京極がいなかったら園子はどうなっていたのかと思うと、ゾッとしてしまう。


