■3年生が全員残る翔陽、夏の敗戦を糧に飛躍!?
王者・海南と並び、冬の神奈川で優勝候補に挙げられるのが翔陽高校である。
インターハイ神奈川県予選では湘北にまさかの敗北を喫した翔陽だが、後日談『あれから10日後ー』では、藤真健司、花形透、長谷川一志、永野満、高野昭一という3年生の主力メンバー全員が引退せず、冬の選抜を目指して再始動したことが描かれている。
戦力の穴を埋める必要がある湘北、王者として勝ち続けるため新たなチーム作りを迫られる海南など、ライバル校がチームの再編成を余儀なくされるなか、翔陽は夏の主力をそのまま維持して冬に臨める。これは大きなアドバンテージとなる。
特に注目すべきは、選手兼監督の藤真だ。夏の湘北戦では、地区予選のトーナメントだったこともあり、油断があったのかもしれない。試合序盤は自らをベンチに置くなど、チーム事情を優先した采配で足をすくわれた。
しかし藤真自身にとって、冬は高校最後の大会となる。今度は自らが最初からコートに立ち、勝利のためになりふり構わない、よりエゴイスティックなプレイヤーに徹することも考えられる。
夏の敗戦を経験した藤真が、最後の舞台でどこまで勝利に飢えたプレイを見せるのか。それが冬の翔陽の命運を握るポイントになりそうだ。
■魚住の穴を埋められるか? 仙道中心の陵南
神奈川県の強豪4強のなかで、最も将来的な伸びしろを感じさせるのが陵南高校だ。
陵南は、大黒柱であった主将・魚住純と池上亮二が引退する。だが仙道彰、福田吉兆、越野宏明、植草智之といった主力メンバーの多くは2年生であり、チームの核はそのまま残る。
そして魚住の抜けた穴を埋める存在として注目したいのが、控えセンターの菅平である。インターハイ神奈川県予選・湘北戦でも、魚住がファウルトラブルでベンチに下がった際に起用されていた。2年生・仙道から指示を受けると「はい!!」と素直に応える姿からも、おそらく1年生ではないかと思われる。
まだ線が細く、赤木とのマッチアップではまったく歯が立たなかった菅平。それでも桜木と同じくらいの高身長で、1年生ながらこの重要な場面で起用されたことを考えると、田岡茂一監督の中ではすでに「ビッグ・ジュン2世」への構想が始まっていたのかもしれない。
冬の選抜の時点では、まだ発展途上のチームだろう。それでも天才・仙道がキャプテンとなり、チームをどう率いていくのか。主力の多くが残る陵南だけに、冬の神奈川でどこまで存在感を示すのか興味深いところだ。
では、最終的に冬の選抜を制して全国への切符をつかむのはどこか。
総合的に判断すると、個人的には海南を推したい。あまりにも順当な予想ではあるが、やはり夏の全国準優勝校という実績は大きい。
湘北と陵南には、どうしても不確定要素が残る。湘北は赤木という圧倒的なインサイドの柱を失い、さらに桜木の復帰時期も分からない。陵南も魚住という大黒柱が抜け、その穴を埋める新たなインサイドの育成はまだ始まったばかりだ。
一方、牧が残留すると仮定すれば、夏のインターハイではあと一歩のところで全国制覇を逃した海南の3年生にとって、冬が最後の大会となる。牧を中心に、チームの士気はさらに高まるはずだ。
同じく3年生が残留し、夏の悔しさを抱える翔陽も有力候補だ。両校がぶつかれば、激戦は必至だろう。それでも最後は、王者としての経験値と高頭監督の采配によって、海南が翔陽を振り切って全国への切符をつかむ展開になるのではないだろうか。
漫画では描かれなかった「冬の神奈川」。もし物語が続いていたとしたら——あなたはどこが勝ち抜いたと予想するだろうか。


