■シュールすぎる? 知りたくなかった裏設定

 近年のサンリオでは、従来の可愛らしさとは一線を画すシュールな設定のキャラクターも人気を集めている。

 中でも強烈なインパクトがあるのが、“鮭の切り身”をモチーフにした「KIRIMIちゃん.」だ。多くの人が抱く素朴な疑問は、「赤ちゃんの頃は“イクラ”だったのか?」という点だろう。

 これについて、担当デザイナーの瀬谷愛氏は、「実はイクラではないんです!」と否定している。実は、KIRIMIちゃん.の公式設定は、「切り身になった時から生命が宿る」というものであり、生まれた時から切り身の姿をしているというのだ。さらに衝撃的なのは、「誰かに食べられると次の切り身に魂が宿る」仕組みになっている点である。

 つまり、現在目にしているKIRIMIちゃん.は、過去に見たKIRIMIちゃん.とは別の個体である可能性が高い。“美味しく食べてもらうこと”が彼女の願いであるとはいえ、食べられることで世代交代していくというトンデモ設定は、子どもたちには少々シュールすぎるかもしれない。

 同じく「ぐでたま」の世界にも、謎に包まれたキャラクターが存在する。それが、「ニセたま」だ。

 公式サイトによれば「幸薄い顔のオレンジの全身タイツの謎の人」と紹介されており、分類も「たまご以外」となっていることから、人間であることが示唆されている。

 独特の存在感を放つ全身タイツのニセたまについて、担当デザイナーへのインタビューによれば、その正体は「ぐでたまに遭遇しすぎた青年が黄色い全身タイツを着て、自分もぐでたまになってしまった夢を見て、その夢から自我を持って一人歩きした存在」であると明かされている。

 つまりニセたまとは、青年の願望や妄想が具現化した存在なのだ。実際に過去に情報番組『あさチャン!』(TBS系)内で放送されていたショートアニメでは、「さとる」という名の大学生が夢の中でニセたまに変身するエピソードが描かれた。

 意に反して奇妙な動きをしてしまい戸惑う様子や、夢から覚めても鏡に映る自分の姿がニセたまのままになっているなど、シュールな展開が繰り広げられた。

 

 このように、広く知られているイメージとは異なる意外な裏設定は、サンリオの可愛らしいキャラクターたちの姿からは想像もつかないものばかりである。これらの設定は、キャラクターを生み出したデザイナーたちがそれぞれ趣向を凝らし、丹念に練り上げたバックグラウンドの奥深さでもある。

 ぜひこの機会に、気になるキャラクターの背景を調べてみてほしい。知られざる物語に気づくことで、新たな魅力を発見できるかもしれない。

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