ガンダムシリーズの大きな魅力の1つが、多彩なモビルスーツの存在である。機体のスタイリッシュなデザイン・造形に惚れ込み、迷うことなくガンプラなどを購入した経験がある人も少なくないだろう。
その一方で、「モビルワーカー」や「プチモビ」のような作業用マシンに胸をときめかせてしまう層も一定数いるはずだ。戦闘用に作られたメカではなく、重機のごとき「働く機械」ならではの無骨なデザインには、最新鋭のモビルスーツにはない魅力がある。
そこで今回はガンダムシリーズに登場した作業用機械の類いにフォーカスし、筆者の独断と偏見にはなるが、個人的に印象に残っている作中での描写を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■簡素な造りながら、実はバリエーションが多い「プチモビ」シリーズ
アニメ『機動戦士ガンダムZZ』の物語序盤、「プチモビ(プチモビルスーツ)」と呼ばれる作業用メカが登場する。ジャンク屋を営む主人公ジュドー・アーシタが乗り込み、ジャンクの回収を行っていた。
さらにはヤザン・ゲーブルもプチモビに搭乗し、作業用メカとはいえ熟練のエースパイロットが搭乗すると、軍用モビルスーツに負けないほどの戦闘力があることを示した。
そして映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』には、プチモビの一種である作業用モビル・ポッド「メッド」が登場。2本の伸縮するアームと4本脚を持つ作業用メカで、コックピットは半球状のハッチのような形をしている。
劇中ではハサウェイ・ノアがジャンク屋から50か月のローンで購入、ロンド・ベルの旗艦ラー・カイラムに潜入する際に使用した。その後、小惑星アクシズの破壊工作時にはブライト・ノアが乗り込み、ロンド・ベルが保有する作業用プチモビ「ズック」を率いている。
その他にも「ジュニア・モビルスーツ」と呼ばれるプチモビよりも人型に近い小型作業用マシンが、アニメ『機動戦士Zガンダム』に登場。カミーユ・ビダンは、このジュニア・モビルスーツの大会で優勝経験がある。
『Zガンダム』の劇中では、月面の鉱山都市で採掘作業を行う場面が描かれたほか、軍用に改造を施されたバリエーションも登場。本来ジュニア・モビルスーツが装備しているビーム削岩砲を戦闘用に改造し、ハイパービーム砲として戦闘にも用いられた。
そしてOVA『機動戦士ガンダムUC』の舞台である宇宙世紀0096年には、プチモビの最新型である「トルロ800」が登場。通称「トロハチ」の愛称で親しまれ、主人公バナージ・リンクスはアナハイム工専の実習などでこれを操縦している。
また、コロニーの空からヒロインであるオードリー・バーンが落下してきた時に、バナージはトロハチに乗り込んで救出。まるで王道の「ボーイ・ミーツ・ガール」のようなシーンが印象的だった。
■治安維持のためにも用いられたミドルモビルスーツ
OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の中には、全高5メートルほどのミドルモビルスーツに該当する作業用マシン「ドラケンE」が登場。もともと民生品ながら、中立コロニーの駐留軍が治安維持のために使用していた。
書籍『総解説 ガンダム辞典 Ver.1.5』(講談社)によるとドラケンEは、通常の戦闘用モビルスーツのような頭部カメラは持っていないものの、軍が運用しているマシンは、短距離ミサイルやビームサーベルを装備。ただし、ビームサーベルの出力は極めて低いとのこと。
劇中ではコロニー内を急襲したジオン軍のモビルスーツ「ケンプファー」迎撃のために出動するも、当然ながら一方的に破壊されてしまった。
ちなみにケンプファーに撃破されてしまった繋がりか、ガンプラ『HGUC 1/144 ジム・スナイパーII』には、同スケールのドラケンEのガンプラが付属しているのも面白い。


