■東条にも大きな変化が

 一方の東条も、若干性格に変化が見られる。警視庁のホワイトハッカーである東条は、第1シーズンでは誤送金事件の真相解明などに協力。当時の彼は、野崎はもちろん、警視庁公安部部長の佐野雄太郎(坂東彌十郎さん)相手にも平気でタメ口で話し、緊迫した状況でも軽口を叩くなど、飄々とした印象を与える人物だった。

 しかし、第12話では、終始野崎の顔色をうかがうような姿が目立つ。声を荒げられて「はい」と素直に返事する場面も何度かあり、自信に満ちていた第1シーズンとはまるで異なる、オドオドした印象を受けるのだ。

 東条の変化は言動にとどまらない。劇中に彼の部屋がたびたび登場するのだが、第1シーズンではウルトラマングッズ一色だったのに対し、第2シーズンではそれがタイガーマスクに変更。この劇的な変化に対し、視聴者の間では「タイガーマスクって、ファイトマネーを孤児院に寄付してましたよね」「もしかしてタイガーマスクとベキの姿を重ねてる?」「モニター伏線?」といった反応が相次いでいる。東条が、テロ活動の裏で孤児救済を目指していた「テント」のリーダー、ノゴーン・ベキ(役所広司さん)を「ベキ様」と呼んでいることも含め、ベキへの共感を暗示しているのではないかと疑う声があがっているのだ。

 また東条について特に気になるのが、野崎が彼の部屋に入った際、何かの作業をしていたのをあわてて中断していることだ。このとき彼は右上あたりのモニターを見ているが、野崎が来てからそのモニターはタイガーマスクの壁紙に切り替えられている。何か野崎に隠さねばならないことを抱えているのは間違いないだろう。

 しかもその後、乃木と野崎が「別班に新庄を渡せば非合法な手で吐かせられる」という会話をした時には、必要以上に怯えるようすも見せている(ちなみに、同じ場面で太田も似た反応をしている)。これは、実は裏で新庄とつながっており、彼や自分の身を案じたからこその反応と考えることもできる。

 

 こうして挙げてみると1つ1つの要素は小さな違和感に過ぎないが、『VIVANT』ではこれまでにも、何気ない描写が後に伏線として回収されることが何度もあった。太田と東条の怪しい点については、わかりやすく強調されている部分もあるため、中にはミスリードもありそうだ。今回生じた疑問がどのように回収されていくかも含め、2人の動向から目が離せない。

 

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