■『ダイヤのA』夏に青道を倒した稲城実業が秋に敗退

 2026年10月にテレビアニメ第2クールが放送される高校野球漫画『ダイヤのA』(寺嶋裕二さん)。主人公・沢村栄純が所属する青道高校と同じ西東京地区には、甲子園常連の強豪・稲城実業高校が優勝の大本命として君臨している。特にエースの成宮鳴は、作中でも最強クラスのピッチャーだ。

 その成宮が2年生の夏、地方大会決勝ではライバルの青道を下し、甲子園でも準優勝という好成績を残した稲実。成宮らチームの中心選手が残った新チームで挑む秋大会も、当然ながら誰もが認める優勝候補であった。しかし大会のダークホース・鵜久森高校との試合で、その予想は大きく覆されることになる。

 チームを引っ張るリーダーの不在という課題を突き付けられた稲城実業は、勢いのある鵜久森を相手に王者らしからぬ苦戦を強いられる。満を持してマウンドに上がった成宮も、チームを背負う重圧から本来の投球ができず、痛恨の逆転打を浴びてしまうのである。

 試合は1-2で鵜久森が勝利し、春の選抜優勝候補はその前の秋大会で姿を消すことになった。選手個々の実力では間違いなく稲城実業が上回っていたが、試合の結果は完敗。プライドの高い成宮が号泣する印象的な大ゴマからは、一発勝負の高校野球の厳しさがこれでもかと伝わってくる。

 

 トーナメント形式の一発勝負だからこそ何が起こるか分からない。大本命チームが格下の相手に敗れる「下剋上」が起こる可能性は十分考えられるが、それでも前評判で「甲子園優勝が狙える」とまで語られた強豪校の敗北シーンは衝撃的だ。

 だが、今回紹介した強豪チームは、いずれもその敗北をバネに飛躍。山田太郎、橘英雄、成宮鳴……負けを経験した彼らは、さらに努力し続け、より立派な選手へと成長したのもひとつのドラマである。

 

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