『キャプテン翼』の作者である高橋陽一氏は、2024年4月をもって雑誌連載という形での漫画家としての活動から引退することを表明し、多くのファンに衝撃を与えた。その後は、ウェブサイト『キャプテン翼WORLD』にてネーム連載のかたちで新作を公開。
そして2026年5月26日に配信された『キャプテン翼 ライジングサン FINALS』第100話では、『キャプテン翼 GOLDEN-23』から約20年にわたって描かれてきた「オリンピック編」の集大成ともいえるマドリッドオリンピック準決勝・日本対スペイン戦がついに決着した。このタイミングでウェブ連載も一時休止となり、『キャプテン翼』シリーズはひとまずの区切りを迎えることとなった。
そこで今回は、物語が一段落ついたこのタイミングで、『キャプテン翼』の主要なキャラクターたちが、どのようなプロサッカー人生を歩んできたのか、その軌跡をあらためて振り返ってみたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■ブラジルで武者修行、そして名門バルセロナのエースへ…主人公・大空翼
数あるキャラクターの中で、もっとも華々しい道を歩んだのは、やはり主人公・大空翼である。
「ジュニアユース編」終了後、恩師・ロベルト本郷を追って単身ブラジルへ渡り、サンパウロFCへ入団。サッカー王国のブラジルで世界中から集まる才能たちとしのぎを削りながら、プロサッカー選手としての第一歩を踏み出した。
その後、日本代表のエースとしてワールドユース優勝に大きく貢献。その活躍が世界最高峰のクラブにも認められ、ついにスペインの名門・FCバルセロナへと移籍する。
しかし彼を待っていたのは、世界最高峰の舞台ならではの厳しい競争である。一時はBチームへの降格を命じられるという試練も味わったが、過酷なリーグ戦で圧巻の結果を残しトップチームに昇格。
そして迎えた宿敵レアル・マドリードとの伝統の一戦「エル・クラシコ」では、3ゴール3アシストという驚異的な活躍で6対5の勝利に貢献し、その後はリーグ制覇も達成。世界最高峰の舞台でもエースとしてその名を轟かせた。
そんな翼の進路は、作中の出来事にとどまらず、現実のサッカー界でも大きな話題となった。当時のレアル・マドリード会長フロレンティーノ・ペレス氏が「なぜ我がクラブではなくバルセロナなのか」と嘆いたという逸話まで残っている。
現在、翼は日本代表としてマドリッドオリンピックでの金メダル獲得という新たな夢に挑んでいる。『キャプテン翼 ライジングサン FINALS』で描かれた準決勝では、開催国スペインをPK戦の末に撃破。いよいよ決勝戦で因縁の相手・ブラジル代表との激突を迎えるところで、物語は一区切りついた。
「世界一のサッカー選手になる」という少年時代からの目標へ向けて、翼の挑戦はこれからも続いていく。
■ライバルたちも世界へ…若林と日向、それぞれの海外挑戦
日本を飛び出し、世界に挑戦したのは翼だけではない。かつて翼とともに日本サッカー界を沸かせたライバルたちもまた、海外の大舞台を目指し、それぞれ異なる道を歩んでいる。
その先陣を切ったのが、「S・G・G・K(スーパーグレートゴールキーパー)」の異名を持つ守護神・若林源三である。
「小学生編」で全国制覇を果たした後、いち早くドイツへ渡り、名門ハンブルグの下部組織に入団。カール・ハインツ・シュナイダーら世界屈指のライバルと競い合いながら実力を磨き、わずか15歳でブンデスリーガデビューを果たした。その実力は、ドイツサッカー協会から帰化を打診されたほどである。
その後もハンブルグの守護神として活躍を続けた若林だが、監督との確執や外国人枠の問題から出場機会を失い、その去就は現在も宙に浮いたままだ。物語は、シュナイダーの誘いを受けてバイエルン・ミュンヘンへの移籍を決意したところで一区切りを迎えている。連載再開後は、世界屈指の守護神がバイエルンのゴールマウスに立つ姿が期待される。
一方、若林とは異なるかたちで海外の壁に挑んだのが、「猛虎」の異名を持つストライカー・日向小次郎である。ワールドユースでの活躍が評価され、念願だったイタリアの名門・ユベントスへの入団を果たす。しかし彼を待ち受けていたのは、学生時代とは比べものにならない厳しいプロの世界の現実だった。
過度な自主トレーニングによるボディバランスの悪さを指摘され、デビュー戦では世界屈指のDF陣に苦戦。肉体改造を命じられるなど、エリート街道とは程遠いスタートを切ることとなる。
しかし、日向はここで終わらない。その後は出場機会を求めてセリエC(3部リーグ)のレッジアーナへレンタル移籍すると、そこでゴールを量産。クラブをリーグ昇格に導く大活躍を見せ、着実に評価を高めている。


