あの“お茶会”で何が起こった?『名探偵コナン』“犬猿の仲”を超え、赤井秀一と安室透が見せた「奇跡のタッグ」の画像
『名探偵コナン 赤井秀一&安室透 シークレットアーカイブス(少年サンデーグラフィック)』(小学館)

 顔を合わせれば激しく火花を散らし、時には本気で拳を交えることもある。それでも、心の底では互いの実力を誰よりも認めている——そんな複雑な関係にあるのが、『名探偵コナン』(青山剛昌氏)に登場するFBI捜査官・赤井秀一と公安警察官・安室透だ。

 かつて、同僚であったスコッチこと公安警察官・諸伏景光の死を巡る因縁から、安室は赤井に対して強い怒りを抱いていた。しかし敵対しながらも、互いの能力は認め合っており、黒ずくめの組織が絡む極限の局面では憎しみを超えた信頼関係が垣間見えることもあった。

 ふだんは犬猿の仲でありながら、2人が「奇跡のタッグ」を組んだ印象的なシーンを振り返る。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

 

■劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』で生まれた共闘

 それまで犬猿の仲として描かれてきた2人が、シリーズで初めて本格的な共闘を見せたのが、2016年公開の劇場版第20作『名探偵コナン 純黒の悪夢』である。

 物語終盤、東都水族館の巨大観覧車の頂上で、赤井と安室は激しい格闘戦を繰り広げる。夜空にド派手な花火が打ち上がる中、安室は積年の憎しみをあらわにし、対する赤井も当初こそ冷静な態度を見せていたが、次第にヒートアップ。互いの実力をぶつけ合う、手に汗握る攻防へと発展していった。

 しかし、黒ずくめの組織が観覧車に爆弾を仕掛けたことを江戸川コナンから知らされると、2人は即座に戦いを中断。安室が「わかった、FBIとすぐに行く!」と応じ、赤井のことを「FBI」と呼んだところも、2人の関係性が感じられた場面だ。個人的な憎しみはあっても、共通の敵を前にすれば、赤井のことも1人の捜査官として認識していることがうかがえる。

 さらに、爆弾の危機をしのいだ後の連携も圧巻だった。暗闇にまぎれた武装ヘリに対し、安室は解体した爆弾を投げつけ、闇夜にヘリのシルエットを浮かび上がらせる。続いてコナンが花火入りのサッカーボールを使い、爆発の光でヘリの弱点であるローター結合部をくっきりと照らし出した。そして赤井が「落ちろ…」という言葉とともに、その一点をライフルで撃ち抜くのである。

 安室の大胆な判断、コナンの機転、赤井の超人的な一発。それぞれの力が重なったことで、絶望的な状況を打開する一手が生まれた。そこには、単なる敵意だけでは語れない2人の「信頼の瞬間」がたしかにあったのである。

■「工藤家のお茶会」で変化した2人の距離

 赤井と安室の関係性を語るうえで外せないエピソードが、原作・テレビアニメの「迷宮カクテル」(コミックス95巻収録、アニメ第952話〜第954話)で描かれた、通称「工藤家のお茶会」である。

 事件解決後、安室は黒ずくめの組織のナンバー2・ラムの命令で工藤新一の情報を探るため、深夜の工藤邸に侵入する。しかし、そこで待ち受けていたのは、沖矢昴の変装を解いた赤井本人だった。

 「ぬかったな赤井秀一…」

 「その言葉… そっくりそちらに返すとしようか… バーボン!」

 暗闇の中で互いに銃口を向け合う、まさに一触即発の状況。だがその瞬間、部屋の電気が灯り、工藤優作と有希子夫妻が登場する。優作は、家主として落ち着いた口調で迎え、有希子は紅茶を用意する。この2人の仲裁により、一触即発の緊迫した場面から一転し、穏やかな「お茶会」へと変わった。

 この「お茶会」の中で交わされた会話の詳細は、いまだ明かされていない。だがその後、優作から赤井に対して「例の深夜のお茶会の答えをまだ頂いてませんし」というセリフがあったことから、何らかの話し合いや情報共有がなされたことは間違いないだろう。

 この一件は、それまで敵対一辺倒だった2人の関係にも変化をもたらし、その後の共闘への布石となる転機となった出来事だといえる。

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