■一護と狩矢神が激突…余韻を残したラスボスの最期
「バウント編」のクライマックスを飾るのは、双極の丘で繰り広げられた一護と狩矢による最終決戦である。
狩矢は、かつて死神に生み出されながら、その危険性から見捨てられたバウントという種族の存在に深い絶望を抱いていた。バウントが人間でも死神でもない存在として虐げられてきたことへの悲しみや怒りの感情は、やがて世界そのものを否定するほどの破滅的な思想へとつながっていく。そして、バウントの力の根源である「浄界章」を自らもろとも爆発させ、尸魂界を無へ帰そうとしたのだ。
一方、一護もまた人間でありながら死神の力を得た死神代行として、2つの世界の狭間に立つ存在である。人間でも死神でもない存在として生きてきた狩矢と、同じく“境界”に立つ一護だからこそ、この対決には特別な意味があった。
風のドール「メッサー」を操り、浄界章によって極限まで能力を高めた狩矢に対し、一護は卍解「天鎖斬月」で立ち向かう。激闘の末、狩矢は敗れるが、その最期は静かなものだった。「少し残念だよ。君が私と同じ道を歩むかどうか見られなくて……黒崎、私は……」。その意味深な言葉を残したまま、狩矢の体はあまりにもあっけなく消滅していった。
バウントという自らの存在に絶望し、世界そのものを否定するまでに至った狩矢。彼は最後、同じ境遇に立つ一護に何を伝えようとしたのか。その真意を明かさぬまま消えていった彼の最期は、視聴者に強烈な印象と余韻を残すものとなった。
「バウント編」は、原作にはない物語でありながら、現世での副隊長たちとの共闘、尸魂界での護廷十三隊の総力戦、そして、ラスボス・狩矢神との決戦など、アニメオリジナルならではの魅力的な展開が詰まったシリーズだ。
また、本編を支えた存在として忘れてはならないのが、アニメオリジナルの改造魂魄のりりん、蔵人、之芭の3人組。さらに、BEAT CRUSADERSの『TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT』や、YUIの『Rolling star』、SunSet Swishの『マイペース』、いきものがかりの『HANABI』といった名曲ぞろいの主題歌も、同シリーズの魅力の1つである。
放送から長い年月が経った今だからこそ、あらためて見返すことで新たな発見や魅力があるかもしれない。アニオリだからという理由でこれまで敬遠していた原作ファンも、この機会にぜひ一度視聴してみてはいかがだろうか。


