原作派は知らない? 思わぬ共闘に名勝負も…『BLEACH』アニオリ「バウント篇」珠玉の名エピソードの画像
『BLEACH』 [バウント篇1](アニプレックス)©久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ

 2001年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載され、完結後も根強い人気を誇る久保帯人氏の大人気バトル漫画『BLEACH』。テレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇』の最終クールとなる「-禍進譚(かしんたん)-」が7月25日より放送開始され、物語のクライマックスに向けた展開は一層の熱を帯びてきている。

 そんなアニメ『BLEACH』には、原作漫画にはないアニメオリジナルのエピソード、通称「アニオリ」展開も数多く存在する。

 その中でも、第64話から第109話にかけて放送された「バウント篇」および「尸魂界・強襲篇」は、『BLEACH』初の長編アニオリシリーズとして知られている。

 このシリーズで主人公・黒崎一護たちの前に立ちはだかるのは、人間の魂を吸収して永遠の命を得る異形の種族「バウント」である。死神でも虚(ホロウ)でも滅却師(クインシー)でもない未知の第三勢力との戦いは、アニオリだからとスキップするには惜しい見どころが数多く詰まっていた。

 今回は、そんな「バウント篇」の中から、原作派にもぜひ知ってほしい印象的なエピソードを振り返っていきたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■副隊長たちも現世へ集結 アニオリだからこそ実現した共闘

 物語は、本来死者の魂魄を糧とするはずのバウントたちが、なぜか生きた人間から直接魂魄を吸収し始めたことから幕を開ける。その理由と目的は何なのか……一護たちは現世を舞台に、新たな敵であるバウントとの激しい戦いへ身を投じることとなった。

 物語前半では、空座町へ派遣された阿散井恋次を皮切りに、吉良イヅルや松本乱菊ら副隊長たちも現世へ集結。バウントたちは、それぞれが契約した使い魔「ドール」を操り、一護たちを苦しめていく。

 一護と吉良、茶渡泰虎と乱菊といった原作では珍しいタッグや、石田雨竜に一時的に滅却師の力を戻すため涅ネムが協力する場面があるなど、アニオリならではの新鮮な場面が描かれた。

 中でも特に印象深いのが、井上織姫と朽木ルキアによる馬橋との戦いである。馬橋が操るのは、相手の体を乗っ取る花型のドール「リズ」。リズに体を支配されたルキアは、自らの意思とは無関係に仲間たちへ刃を向けることになる。そこへ九番隊副隊長・檜佐木修兵も駆けつけ、ルキアを救出するための激戦が繰り広げられた。

 この展開は、かつてルキアが志波海燕の姿を利用した虚・メタスタシアを討たざるを得なかった過去や、そのメタスタシアを取り込んだ第9十刃アーロニーロ・アルルエリとの戦いを思わせるものでもあった。

 操られたルキアは鬼道を連続で放つが、織姫は盾舜六花の「双天帰盾」でその体を優しく包み込み、彼女を救い出した。決して仲間を諦めない織姫の優しさと芯の強さが際立つエピソードだ。

■護廷十三隊が総力戦…剣八と一之瀬が生んだ名勝負

 やがてバウントたちの目的が、かつて自分たちを創造し、そして見限った死神たちへの復讐であり、瀞霊廷の殲滅であることが判明する。

 物語後半、戦いの舞台は尸魂界へと移り、護廷十三隊による総力戦が幕を開ける。総隊長・山本元柳斎重國の指揮のもと、砕蜂、涅マユリ、日番谷冬獅郎、朽木白哉ら隊長格が次々と出陣。鉄の女性型や巨大な鯨型など、個性的なドールを操るバウントたちと激突する。

 斬魄刀や鬼道、そしてドールといった、多種多様な能力が入り乱れる総力戦は、『BLEACH』ならではの醍醐味といえるだろう。

 さらに、このシリーズ最大の見どころの1つが、更木剣八と元死神・一之瀬真樹の因縁の対決である。一之瀬は、かつて十一番隊第三席を務めていた。敬愛する先代剣八を更木が斬殺したことから彼に強い怨念を抱き、バウントの長である狩矢神の側についた。

 一之瀬が操る斬魄刀「虹霞(にじかすみ)」は、解放すると強烈な光を放ち、無数の光の刃で相手を翻弄する。しかし、その変幻自在の攻撃さえ剣八には通じない。

 敗北を悟った一之瀬に対し、剣八は「その怨念全部ぶちまけてみろよ!」と言い放つ。その言葉は、戦う理由や力の根源などどうでもいい、ただ全力の強敵と戦いたいという剣八らしさそのものだった。

 一之瀬もまた、その言葉に応えるように怨念と力のすべてをぶつけ、戦いの果てに長年抱え続けた想いから解放される。これは「バウント編」を代表する名勝負といえるだろう。

 なお、原作漫画の正史では、更木剣八は十代目「剣八」である鬼厳城剣八を倒してその名を継いでいる。そのため一之瀬が人格者として慕い、剣八との因縁のきっかけとなった先代の「剣八」の存在は、アニメオリジナルの設定のようだ。

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