「意外な結末に驚き…」小畑健&ほったゆみによる傑作『ヒカルの碁』意外と知らない「まさかの最終回」主人公ヒカルが選んだ“未来”とはの画像
DVD-BOX『ヒカルの碁』全集(エイベックス・ピクチャーズ)(Cほったゆみ・HMC・小畑健・ノエル 集英社・テレビ東京・電通・ぴえろ (C)ヒカルの碁 DVD-BOX製作委員会

 原作:ほったゆみ氏、漫画:小畑健氏による『ヒカルの碁』は、日本に囲碁ブームを生み出した作品として知られている。2001年に放送開始となった同作のアニメも話題を呼び、印象に残っている人も多いのではないだろうか。

 しかし、そのアニメでは原作漫画の最終回まで描かれていないため、その物語がどのように終わったのかを知らない人も少なからずいるのかもしれない。

 主人公の進藤ヒカルと平安時代の棋士の亡霊・藤原佐為がコンビを組んで展開された物語は、やがてヒカルが1人で成長していく物語へと変わっていく。そして漫画の最終回では、ヒカルが韓国の若手トップ棋士と戦う。その対局の行方をはじめ、『ヒカルの碁』の“意外と知らない最終回”について振り返っていこう。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。

 

■日本代表として韓国戦へ

 ヒカルの成長を見届けた佐為が成仏して消えた後、ヒカルは気持ちを新たにプロ棋士として碁を続けていく。そんな中、日中韓の18歳以下の棋士による団体戦「北斗杯」が開始。テレビアニメのレギュラー放送終了後に放送されたスペシャルアニメ『ヒカルの碁スペシャル 北斗杯への道』では、そのメンバー決めの様子が描かれた。

 アニメは出場メンバーが決定したところで終わっているが、原作ではもちろん本戦までしっかりと描かれている。ヒカルとともに日本代表になったのは、すでにトップ棋士と渡り合える実力を持つ塔矢アキラ、そして関西棋院の天才棋士・社清春だ。

 ヒカルはこの2人にも増して、並々ならぬ覚悟で北斗杯に臨むことになる。その理由は、北斗杯では韓国代表の大将を務める高永夏(コ・ヨンハ)にあった。

 永夏には、幕末に活躍した天才棋士・本因坊秀策を軽んじる発言をしたという噂があった。秀策とは、佐為がかつて憑依していた人物である。それを聞いたヒカルは、佐為を馬鹿にされたも同然と怒りをにじませる。

 実はこれは翻訳ミスによる誤解だったわけだが、それを知らないヒカルは、韓国代表として出場してくる永夏との直接対決に勝利することをひそかに誓っていた。さらにやっかいだったのは、永夏はヒカルに誤解されている状況を楽しみ、むしろヒカルを直接挑発してきたことだ。

 ヒカルは韓国戦で大将としての出場を望み、中国戦へと向かう。しかしその中国戦では、大舞台への緊張から調子を崩して敗戦。それにもかかわらず、日本チーム団長の倉田厚は、ヒカルを韓国戦の大将にして永夏とぶつけることを決めた。

 倉田は、永夏との一戦がヒカルにとって大きな転機になると感じていたのである。そしてヒカルと永夏の勝負の行方こそが、原作最終回の最大の見どころとなる。

■ヒカル対高永夏の決着は…?

 2人の対局は、まさに才能と才能のぶつかり合いというべきもので、大将戦にふさわしいハイレベルな攻防を繰り広げる。半目が2人の間で揺れ動き、終盤までどちらが勝つか分からない展開。各国のトップ棋士たちが見守る中、その勝敗が描かれたのが、最終話「あなたに呼びかけている」だ。

 対局終了後の整地で明らかになった結果は、半目差でのヒカルの敗北。最後の最後まで勝負はどちらに転ぶか分からない中、軍配は永夏に上がった。

 「力の差を思い知っただろ!」と永夏は強気の態度を崩さないが、周りの者はそれをいさめる。すでに対局の中で、ヒカルの強さは証明されていた。事実、それを一番よく分かっているのは永夏自身。対局中は、心の中で「塔矢アキラに匹敵する棋士」と認めるほど追い詰められていた。

 「ヒカルの敗北」という結末に、唖然とした読者も多かったことだろう。作中でも「健闘なんかいらんから勝ってくれってんだ」と心無いことを言う観客が描かれていた。しかしプロ棋士は皆、勝敗だけがすべてではないことを知っていたのが救いである。

 その後、永夏は対局場で「秀策にこだわる理由」を問うが、それに対するヒカルの答えは、彼が「碁をする理由」と同じだった。

 「遠い過去と 遠い未来をつなげるために そのためにオレはいるんだ」。

 ヒカルが涙ながらに語ったこの言葉には、読者にしかわからない佐為への思いが込められていた。佐為の存在がヒカルを碁に導き、ヒカルも誰かを導く。その誰かも、また誰かを……。碁を打つことで、佐為との日々を証明し続けるヒカルがたどり着いた答えであった。

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