数万円から数十万円の値段がつくこともある「レトロゲーム」の世界。そんなソフトがズラリと揃う『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、ショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは——?
■ナムコ紙箱シリーズの中でも高額な2タイトル
ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第56回
『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。前回取り上げたファミコン版『マッピー』(ナムコ)は、当時ものすごく売れたタイトルで、レアなソフトではありません。でも、当店での販売価格は8250円(税込/完品)と、すでに当時の定価を大きく上回っています。
ナムコのファミコンソフトは当初、紙の箱に入っていました。途中でプラスチックのケースに変わるのですが、この紙箱入りソフトの価格が、最近のきなみ上昇傾向にあるんです。中でも、特に高額なのが『ワープマン』(1985年)と『バトルシティ』(1985年)ですね。
当店では現在、箱・取扱説明書つき完品の『ワープマン』を3万8500円(税込)、同じく『バトルシティ』を1万9800円(税込)で販売しています。
ただ、『ワープマン』はカセット単体の状態だと意外に安くて、1000円くらいでも見つかります。私は『ワープマン』が好きなので、カセット単品で売られているのを見ると、ついつい買ってしまうんですよね(笑)。
この『ワープマン』は、アーケードゲームの『ワープ&ワープ』(1981年/ナムコ)を基にした作品です。私は『ワープ&ワープ』が好きで、ゲームセンターでよく遊びました。
『ワープ&ワープ』は、ふたつのステージをワープで行き来する仕掛けになっていて、最初のステージではモンスターを銃で攻撃します。時間が経つと中央のゾーンから、迷路のようなステージにワープできるようになっていて、そこでは時限爆弾でモンスターを倒すんです。遊び方の違うふたつの面を行き来するというのが面白かったんですよね。
MSXでは『ワープ&ワープ』の移植版が発売されたのですが、ファミコンにはアレンジした『ワープマン』がリリースされました。正直、「なんで、そのまま移植してくれなかったんだ!」と、ちょっとがっかりしたんですよ。1981年の古いゲームということで、グラフィックもサウンドも、アーケード版よりファミコン版のほうがよくなっていたのですが、素直に喜べませんでした(笑)。
さて、もう一方の『バトルシティ』も、アーケードの『タンクバタリアン』(1980年/ナムコ)をファミコン用にアレンジしたもの。自分の陣地を守りながら、迷路のようなステージを戦車で移動して、敵の戦車を倒すというゲームです。ただ、私はヘタだったのであまり遊びませんでした。
というのも、そもそも『タンクバタリアン』が難しかった。その場で4方向に戦車の向きを変えることができるんですけど、私にはその操作がうまくできなかったんですね。たとえば、同じ時代のナムコのアーケードゲームでいえば、『ラリーX』(1980年)なんかは、コーナーではクルマが向きを変えますけど、直線では何もしなくてもまっすぐ走りますよね。でも『タンクバタリアン』は、直線の途中で向きを変えることができて、なんなら砲撃で迷路の壁すら壊せるんですよ。それがどうも苦手で……。
ゲームセンターで難しくてクリアできないゲームを、ファミコンで攻略するというのが当時の私のゲームの楽しみ方でしたが、そんな苦手意識から、ファミコン版の『バトルシティ』もあまり遊びませんでした。ひょっとすると、世間的にも私と同じような評価だったんでしょうか。それで出回る数が少なくて、高額化しているのかもしれません。


