■とことん推すことでパワーを得ているちゅーたん

――MVにも、衝撃的な過去についてファンの方から驚きの声が書き込まれていました。

島陰 そうですね。ちゅーたんが闇の部分も持っているのは、こういう経緯があったからなんだな、と実感しました。だからこそ、ここを描くことで成長がより見えてキャラクターに説得力が出るな、と感じたんです。
 ただ、MVで描かれたことを直接的に漫画で描いてしまうと、「読者さんがショックを受けてしまうかもしれない」と編集部から心配の声が上がりまして。意外と小・中学生の読者さんが多いので、たしかにと思い、MVとは違うアレンジを加えさせていただきました。

ヤマコ ちゅーたんは、シンプルに推し活が大好きでいろいろなアイドルを追いかけてきた子……というわけではなく、きっかけがあり救われたことによってどっぷりハマったんですよね。
 島陰さんがおっしゃってくれたように、闇の部分を持っていてちょっとひねくれているのは、育ってきた環境下で“いい子”でいなきゃいけなくて、期待に応えたい子だった。ようやく、自ら希望を持って自分のやりたいこと=モデル活動ができるようになった、と思った瞬間に、ダメだった。そんな"挫折”が描かれていて、その上で推し活に救われた。
 そういった背景が、のめり込んで推し活をすることへの説得力に繋がるのではと思いました。

――キャラクターがより立体的になる瞬間ですね。楽曲&MVと漫画の世界観が、まったく違和感なくリンクしていたのも読んでいて楽しかったです。漫画を読みながらMVを観返す、といった楽しみ方もできました。

島陰 よかったです! ほかに、漫画発となるのがコンコンでした。同じくLIP×LIPヲタでありちゅーたんを目の敵にする彼女は、漫画オリジナルキャラなんですよ。

ヤマコ コンコン、いいですよね~!

――ほかに印象的なエピソードはありますか?

島陰 ちゅーたんが祭壇を作るシーンです(第3話)。このシーン、当初はライバルのコンコンのSNSのリプライにイラッときて、バーンッ! とすごい祭壇を作る……という流れでしたが、ハニワさんから「祭壇を完成させる描写の前に、一生懸命作っているコマを入れたほうが可愛くなるのでは」とアドバイスをいただいたんです。なるほど! こうやって描くと可愛く推し活が表現できるな! と目からウロコでした。

――一生懸命試行錯誤して並べて撮って、SNSにアップしていたシーンですね。健気で可愛らしかったです!

島陰 ちゅーたんはとことん推すことでパワーを得ているタイプだなと思います。推しがいる読者のみなさんも、それぞれ自分のペースで楽しく推し活してくれたらいいなと思います。

 

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