アニメ『ドラゴンボールZ』を振り返ると、本編とは直接つながりのないアニメオリジナル(アニオリ)の展開にも、記憶に残るキャラクターが数多く存在した。中でもとくに印象的だったのが、わずかな出番にもかかわらず異様な強さを見せつけた「アニオリの強キャラ」たちだ。
近年のアニメでは原作に忠実なストーリー構成が主流で、かつてのような大胆なオリジナル展開はあまり見かけなくなった。だからこそ、自由度の高いアニオリならではの展開には、当時の『ドラゴンボールZ』らしい魅力と面白さが詰まっていたように思える。
そこで今回は、劇中で視聴者に強烈な印象を残した「アニオリの強キャラ」たちを振り返っていく。
※本記事には作品の内容を含みます。
■あの世一武道会で悟空と激闘を繰り広げた「パイクーハン」
まず紹介したいのが、『ドラゴンボールZ』を代表するアニオリキャラともいえる「パイクーハン」である。
彼はセルゲーム終了後から「魔人ブウ編」へと続く流れの間に挿入されたアニメオリジナルストーリー「あの世一武道会編(第195話〜第199話)」に登場。西の銀河最強の戦士とされる、あの世の猛者だ。
緑色の肌に冷静沈着な性格、そして非常に高い戦闘力を備えたキャラクターであり、その姿からピッコロを連想した視聴者も多かったはずだ。実際、作中でも孫悟空から「ピッコロみてえなやつ」と評されている。
彼の最大のインパクトは、やはり初登場時の描写にある。かつて悟空たちを絶望に追い込んだセル、フリーザ、コルド大王といった面々が地獄で暴れる中、現れたパイクーハンは彼らを一瞬で鎮圧した。“歴代ボス瞬殺”という衝撃的な演出によって、彼が作中屈指の実力者であることを視聴者に印象づけたのだ。
あの世一武道会の決勝戦では、超サイヤ人フルパワーの悟空と対戦。パイクーハンは炎の気弾を撃ち出す「サンダーフラッシュ」や、高速回転で風を起こして攻撃する「ハイパートルネード」といった多彩な技を駆使し、悟空を追い詰める。
これに対抗するため悟空が披露したのが、アニメ限定の超技「(あの世でのみ耐えられる)超サイヤ人状態での界王拳」、通称「スーパー界王拳」だ。原作では見られない夢の超パワーアップに、胸を熱くしたファンも多かっただろう。
最終的には悟空が至近距離から放ったかめはめ波を受けて場外負けとなったものの、純粋な戦闘力では互角といって差し支えないレベルを見せつけたパイクーハン。しかも単なる敵ではなく、悟空と互いの強さを認め合い、リスペクトし合う好敵手として描かれた関係性もまた印象的だった。
■Z戦士4人を絶望させた幻のサイヤ人「オニオン&ブロッコ」
続いて紹介するのは、アニメ『ドラゴンボールZ』の第17話「明日なき街! 勝利への遠い道のり」に登場した幻のサイヤ人「オニオンとブロッコ」だ。彼らは短い登場ながら、強烈なインパクトを与えた強敵コンビである。
ラディッツ戦後、Z戦士たちは次なるサイヤ人の襲来に備えて各地で修行に励んでいた。その中でクリリン、天津飯、ヤムチャ、餃子(チャオズ)の4人は、サイヤ人の実力を知るため、神の力で精神を過去のサイヤ人の惑星へと送り込まれる。そこで遭遇したのが、このオニオンとブロッコだった。
いかにも悪役といった風貌のサイヤ人コンビは、地面から突如として姿を現すやいなや、餃子の頭を握り潰し、さらにクリリンを地中へと引きずり込む。響き渡る悲鳴のあと、再び地上に現れたクリリンにとどめを刺すという、極めて残忍で容赦のない攻撃を見せつけた。
残された天津飯とヤムチャも全力で応戦するが、2人の圧倒的な戦闘力の前にまったく歯が立たない。最終的に、天津飯の絶叫を最後に4人の精神は神殿へと引き戻され、目を覚ますこととなる。
ここまで地球の戦士たちを圧倒した存在でありながら、神様からは「まだ半人前であり、これから地球に現れるサイヤ人とは比べものにならない」という衝撃の事実が告げられる。ベジータとナッパという本物の脅威がどれほど恐ろしい存在なのか、視聴者に強烈に印象づけたエピソードであった。


