■ペイン戦から第四次忍界大戦へ…深まっていった絆

 その後、ナルトはサスケ奪還任務や自来也との修業を経て成長していく。自分のことで精一杯だったこともあり、その間ヒナタとの関係に大きな進展はなかった。そして再び2人の運命が動いたのが、ペインによる木ノ葉襲撃である。

 ペインの圧倒的な力の前にナルトが追い詰められた時、戦いの場に飛び出してきたのはヒナタだった。彼女は実力差のあるペインに立ち向かい、「私はナルト君が——大好きだから…」と、ついに自らの想いを告げる。それはまさに命がけの告白だった。

 そんなヒナタが目の前で傷つけられたことで、ナルトは激しい怒りと悲しみに飲み込まれ、6本目の尾が現れるほど九尾の力が暴走。最終的には8本目の尾まで発現させた。

 恩師・自来也を失った時ですら、ここまで理性を失うことはなかっただけに、ナルトにとってヒナタは、すでにかけがえのない存在になっていたことを感じさせた。

 さらに第四次忍界大戦にて、ネジの死を目の当たりにし、心が折れかけたナルトを支えたのもヒナタだ。彼女にとってネジは大切な従兄である。自らも深い悲しみを抱えながら、それでもナルトに再び立ち上がる力を与えたのである。

 この頃の2人は一方が支えるだけでなく、互いに支え合い、共に進む対等な関係へと変わっていた。

■『THE LAST』で気づいたヒナタへの本当の想い

 そこまで関係を深めた2人だったが、第四次忍界大戦から2年後を描いた『THE LAST』の時点でも、ナルトはまだヒナタに対する想いを恋愛感情と理解できていなかった。しかし、この物語の中で彼はようやくヒナタへの想いを自覚することになる。

 もっとも、ナルトがここまで恋愛に鈍感だったのも無理はない。幼い頃から孤独の中で育ち、自分に向けられる好意をあまり経験してこなかったため、恋愛感情そのものをうまく理解できていなかったのだろう。

 作中では、ナルトがサクラに抱いていた「好き」の意味についても触れられる。成長したサクラは、その想いは、うちはサスケという最大のライバルへの対抗心から生まれたものだったのではないかと分析していた。つまり、ナルトはサクラからヒナタへ“心変わり”したわけではなく、サクラに対する好意とヒナタへの想いは、もともと性質の異なる感情だったというわけだ。

 そのことをナルト自身が実感するきっかけとなったのが、皮肉にも敵の幻術による過去の追体験だった。

 ヒナタが幼い頃からずっと自分を想い、支え続けてくれていたこと、中忍試験で自分を認めてくれたこと、命がけで守ろうとしてくれたこと、そして第四次忍界大戦で再び立ち上がる力を与えてくれたこと——そのひとつひとつをあらためて振り返った時、ナルトは初めて自分にとってヒナタがどれほど大切な存在だったのかを理解する。そして、その想いが「愛」であることを確信し、ヒナタに自らの気持ちを伝えるのであった。

 そして映画のラストで、優しく照らす満月をバックに2人はキスを交わす。長い時間をかけて育まれた2人の想いは、ついに成就したのだった。

 

 最終回だけを見ると、ナルトが長年想いを寄せていたサクラから、ヒナタに心変わりしたようにも見えるかもしれない。しかし実際は、ヒナタは幼い頃から変わらずナルトを想い続け、ナルトのほうも中忍試験やペイン戦、第四次忍界大戦を通して、彼女の存在が少しずつ大きくなっていったことが分かる。そして『THE LAST』において、ナルトは初めてその想いの正体が「愛」だったことに気づくのだ。

 こうして振り返ると、2人が夫婦となった結末は決して突然のものではなく、長い時間をかけて育まれた想いがようやくたどり着いた、当然の結末だったといえるだろう。

 

■原作ファンは知らない…ナルトとヒナタの愛の行方が描かれた劇場版をチェック

THE LAST -NARUTO THE MOVIE-
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