ナムコ名作『マッピー』ファミコン版でカットされた「名BGM」 中古価格4万円超の「希少バージョン」も…【ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」】の画像
『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』大竹剛店長(写真/ふたまん+編集部)

 数万円から数十万円の値段がつくこともある「レトロゲーム」の世界。そんなソフトがズラリと揃う『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、ショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは——?

■『マッピー』が好きすぎてゲーセンにラジカセを持参!?

ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第55回

 

 『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。私はゲームの音楽が大好きで、高校生の頃には、ゲームセンターへラジカセを持っていって、ゲームのBGMを録音していました。知らない人がプレイしているのを録音することもありましたね(笑)。まだゲームミュージックのCDがなかった時代のことです。

 きっかけは『マッピー』(ナムコ/1983年)でした。屋敷を舞台に、警官ネズミのマッピーが、泥棒猫のニャームコから盗品を取り返していくアクションゲーム。この『マッピー』が好きすぎて、自分のものにして持ち帰りたいって思ったんです。

 好きなテレビアニメをビデオテープに録画すれば、いつでも何度でも好きなときに観ることができますよね。その感覚に近かったと思います。BGMを録音しても遊べはしませんけど、家で、自分の好きなときに『マッピー』を楽しみたかったんですよね。

 もちろん楽曲自体も大好きでした。当時は音楽性なんてよくわかりませんでしたが、いま振り返ると、ジャズのテイストが取り入れられていて、本当にカッコイイなって思います。

 ずっとあとになって、iOS向けにも『マッピー』のアプリが出ました(※2011年)。このアプリ、メニュー画面でジャジーなピアノアレンジ曲が流れるんですよ! これこそ、当時作曲家さんが表現したかった本来のサウンドなんじゃないかって感じました。

 『マッピー』はキャラクターもかわいくて好きでした。マッピーとニャームコは、もともとナムコが「迷路脱出用」として開発した実在のロボット。当時、「マイクロマウス」という、ロボットに迷路を突破させる競技があったんですね。おもちゃ版も発売されましたが、あれはゲームの後に出たのかな? そういうキャラクター性も面白かったですね。

 ドット絵にもワクワクさせられました。かつて『ALL ABOUT namco』(電波新聞社/1985年)という、ナムコのアーケードゲームの攻略法や資料をまとめた本がありまして、そこにドット絵の一覧が掲載されていたんですよ。

 テクノスジャパンに入社して、ドット絵を担当するようになってから、この本を見ながらナムコキャラのドット絵を描いてみることもありました。仕事の参考のためでしたが、すごく楽しかったのを覚えています。

 やがて、バイト代を貯めてファミコンを手に入れると、ほどなくして『マッピー』のファミコン版も買いました。アーケード版が縦画面なのに対して、ファミコン版は横画面……というところからはじまり、周囲では「ゲームセンターと違う」という声があがってました。

 でも私は、家でこれだけ遊べればもう十分だと満足していました。ファミコンゲームとしての出来はすごくよかったと思います。当時はテレビゲームと言えば男の子の遊びという風潮だったんですが、『マッピー』は私の妹も気に入って遊んでいたんですよ。それはやっぱり面白かったからでしょうし、キャラもかわいかったですからね。

 とは言え、曲に関しては再現度に満足できなくて、録音したアーケードの曲を聴いていました(笑)。そうそう、ファミコン版ではネームエントリーがカットされていましたけど、あそこのBGMがとてもいいんですよ!

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