尾田栄一郎氏が描く大人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』(集英社)は、1997年7月22日から連載がスタート。この連載開始日を記念し、7月22日は「ONE PIECEの日」と公式に制定されている。
今年で連載29年目に突入したが、コミックス115巻に及ぶ長い冒険の中では、さまざまな激闘が繰り広げられてきた。
中にはまれに、誰も予想できないかたちで決着がついたり、勝算が薄いと思われた側が勝利したりと、意外な展開が描かれることもある。
そこで今回は『ONE PIECE』の長い歴史においても印象深い“大番狂わせ”が起こった戦いを厳選し、あらためてその衝撃を振り返ってみたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■「神(ゴッド)の一撃」が起こした奇跡──ウソップvsシュガー
ドレスローザ編で、物語の流れを決定づける殊勲の大金星を挙げたのが、麦わらの一味の中では非力な印象も強かったウソップである。
その対戦相手となったドンキホーテファミリーの幹部・シュガーは、「ホビホビの実」の能力者。その能力で国中の人間をおもちゃに変え、おもちゃの姿にされた人物は世界中の人々の記憶からも消える。
彼女が持つ力は作中屈指の凶悪な能力として知られ、ドフラミンゴによる圧政の根幹を支えていた。
そんな中、ドレスローザを支配するドフラミンゴファミリーに対抗すべく、ウソップは一味の仲間やトンタッタ族を率いて反撃開始。激辛調味料「タタババスコ」を食べさせてシュガーを気絶させようと「シュガー・おったまげ・パニック・作戦(SOP作戦)」を敢行。しかし仲間の多くは捕らえられ、ウソップもシュガーに捕まったことで作戦は失敗したかに見えた。
逆にシュガーによってタタババスコを食べさせられるハメになったウソップは、あまりの激辛ぶりに絶叫する。そのウソップの苦悶の表情を間近で見てしまったシュガーは、驚きのあまりに気絶。シュガーが気を失ったことで、彼女の能力でおもちゃに変えられていた人々は元の姿に戻り、関係者の記憶も戻った。
そしてこの一連の出来事がドフラミンゴによる支配を突き崩す契機となったのである。
結果的にシュガーを無力化させたウソップの貢献度は大きい。しかし物語はここで終わらなかった。
気を取り戻したシュガーが面識のないルフィやトラファルガー・ローに近づき、2人をおもちゃに変えようとする絶体絶命の危機を迎える。
そのときウソップは、遠く離れた場所からカン十郎や錦えもんらの力を借り、超長距離からの狙撃を試みる。ヴィオラの千里眼を頼りに王宮内部の壁や窓、格子の数まで把握し、頭の中で緻密に位置を割り出していった。
加えてウソップは、ここにきて「見聞色の覇気」に目覚めたかのような研ぎ澄まされた集中力を見せ、特殊な弾丸を発射。狙い通り、シュガーを再び気絶させることに成功した。
その活躍もあって、ドフラミンゴが独自にかけた「“ゴッド”ウソップ」への懸賞金はなんと5億ベリー。ルフィが3億ベリーだったことを考えると、いかに脅威に思われていたかが分かる。
ドレスローザでウソップが成した一連の功績は、読者の誰もが予想しなかった大番狂わせだった。
■「最悪の世代」によるタッグが、まさかの四皇撃破
ワノ国編のクライマックスで描かれた、トラファルガー・ローとユースタス・キッドがビッグ・マムと激突した戦いは、屈指の大番狂わせとして語り継がれている。
四皇の一角であり、「鉄の風船」と形容される異次元の頑強さを持つシャーロット・リンリンに対し、「最悪の世代」のローとキッドが共闘して挑んだ。
ローは自身の「オペオペの実」の能力を応用し、無音空間を生み出す能力「凪」でビッグ・マムの周囲の音を消し去る。これで配下のプロメテウスやゼウスといった従者を呼び寄せる隙を与えなかった。
加えて、相手の内部にまで貫通する「穿刺波動」という覚醒技も披露し、空に浮く鬼ヶ島からはるか下のワノ国本土まで届くほどの大穴を開け、頑強なビッグ・マムに確実にダメージを刻んだ。
一方のキッドも、「ジキジキの実」の能力「磁気激突」により、ビッグ・マムを大量の鉄骨に埋めるなど、とてつもない質量攻撃を繰り出して着実にダメージを蓄積させていく。そして最終的にビッグ・マムをマグマの中へと突き落とす強烈な一撃「電磁砲」を放った。
こうして圧倒的な力を誇った四皇を、最悪の世代の2人によるタッグで撃破。予想外の金星を挙げたのである。
なお、単独でカイドウを倒したルフィが新たな四皇になり、30億ベリーという懸賞金がかけられたが、ローとキッドにもルフィと同額の懸賞金がかけられており、それだけ脅威の存在として認められた勝利といえるだろう。


