6月27日、『世にも奇妙な物語 '26夏の特別編』がフジテレビ系で放送された。
今回、ストーリーテラーのタモリさんが導いた「奇妙な物語」は4つ。
杉野遥亮さん演じる主人公が、自身の母親がオークションサイトに“出品”されていることに気づくところから始まる「マザーズオークション」。上川隆也さん演じるベテラン刑事が、犯行現場から消えた遺体や凶器に悩まされる「遺体は一体……」。趣里さん演じる主人公が、母の死をきっかけに古い団地にある実家の片付けに訪れる「実家じまい」。永尾柚乃さん演じる8歳の主人公が、本物そっくりの「おじさん」(松尾諭さん)になれる不思議な着ぐるみで両親の仲を取り持とうとする「おじさんになりたい」だ。
どれも、例年の『世にも奇妙な物語』に多い心霊モノではなく、ミステリー作品という印象だった。
今回の4つの物語はどれも好評だったが、『世にも奇妙な物語』ではこれまでにも多くのミステリー作品が生まれている。そこで今回は、歴代の『世にも奇妙な物語』で描かれた、一癖も二癖もある珠玉のミステリー作品を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■まさかのどんでん返しや巧妙なオチ
まずは、1996年秋の特別編で放送された、大塚寧々さん主演の「壁の小説」。
アメリカでプロファイリングを学んだ女刑事は、連続殺人犯を追ううち、とある精神病院に隔離されている男の存在にたどり着く。彼の部屋に入った主人公が目にしたのは、壁にぎっしりと書かれた文章。これは例の男が書いたもので、しかも彼は「書いたことがすべて現実になる」という特殊な能力の持ち主だった。
実際、そこに書かれた文章の通りに物事は進んでいく。それらを読み進めるうち病院の院長が連続殺人犯だと気づいた主人公は、拳銃を手に応戦するのだが……。
この後の展開がどうなるのかハラハラしながら見ていると、最後には絶妙などんでん返しが待っており、まさに推理小説を読んでいるような気持ちになる完成度の高いストーリーだった。
続いては、2006年秋の特別編で放送された、堂本光一さん主演の「昨日公園」。『世にも奇妙な物語』の中でも特に評価の高いこの作品は、名作映画『バタフライ・エフェクト』を想起させる切ない内容と最後のオチが人気の理由だ。
人気のない公園でキャッチボールをする主人公と友人。しかし2人が別れた後、主人公は友人が石段から落ちて亡くなったという連絡を受ける。
友人の通夜の帰り、主人公が同じ公園を通りかかると足元にボールが転がってきて、なんとその先には死んだ友人がいた。主人公は戸惑いつつも友人の事故死を阻止するが、今度は別の事故で亡くなったと連絡が来る。
その後も何度も何度もタイムリープするが結局友人を救うことはできず、むしろその都度被害は大きくなってしまう。どうあがいても救えない現実に打ちのめされた主人公は、幾度目かのタイムリープでの友人との会話を経て、とある決断をする……。
このストーリーは2015年放送の「25周年記念!秋の2週連続SP~傑作復活編~」にて、有村架純さん主演でリメイクもされている。主人公が友人のために奔走し葛藤する姿に心奪われ、最後には平和なエンディングが訪れたと思いきや、巧妙なオチにハッとさせられる。構成がかなり秀逸な作品だった。


