■もはや比較不能…不朽の名作『Dr.スランプ』則巻アラレの地球割り
最後に紹介するのは、今回取り上げた3人のなかでも、もはや比較そのものが成立しない規格外の存在、鳥山明さんによる『Dr.スランプ』の主人公・則巻アラレである。
サイタマが隕石、マッシュが鉄などを粉砕したのに対し、アラレが軽々とやってのけたのは、そのさらに上をいく“惑星そのものの破壊”だった。その象徴ともいえるのが、コミックス第3巻で描かれた、あまりにも有名な「地球割り」のシーンである。
この場面では、自称スーパーヒーローのスッパマンが得意げに瓦割りを披露。それを見たアラレは「ほいっ!」と軽い調子で地面にパンチを繰り出す、たったそれだけのことだった。だが次の瞬間、「ばかっ」という効果音とともに地球に巨大な亀裂が走り、惑星そのものが真っ二つに割れてしまったのである。
ちなみに、現実の物理学において地球を破壊するために必要なエネルギーは、およそ「2×10の32乗ジュール」とされている。これは前述した「ツァーリ・ボンバ」約960兆発分となるため、アラレの地球割りがいかに規格外かということが分かるだろう。サイタマとマッシュには悪いが、もはや同じ「パンチ」として語ること自体が無理のあるレベルだ。
では、同じく鳥山さん作品である『ドラゴンボール』の超戦士たちと比較してみるとどうなのだろうか。
実は『ドラゴンボール』や『ドラゴンボール超』でアラレは孫悟空やベジータと共演しており、その際にもおなじみの「地球割り」を披露している。このあまりのデタラメぶりに、作中最強クラスの実力者であるベジータでさえ、「ギャグで物理法則を無視するのは反則だ!」と絶叫していたほどである。
天下のベジータに“反則”と言わしめたアラレの拳こそ、漫画界における“最強のパンチ”といえるのかもしれない。
今回取り上げたキャラに共通しているのは、いずれも“拳ひとつ”で常識を超えてしまったという一点に尽きる。隕石を砕き、魔法や理屈すら力任せにねじ伏せ、ついには惑星そのものにまで影響を及ぼすその力は、まさに規格外と呼ぶほかない。
果たして今後、この3人を超える「最強の拳」は現れるのだろうか。漫画界のパワー描写は、まだまだ限界知らずで進化を続けていきそうだ。
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