■異能×陣取りゲームの青春群像劇!『メビウス・ダスト』
ふたつ目に紹介するのは、『メビウス・ダスト』。DeNA、文化放送、創通、MBSなどが共同で立ち上げたオリジナルアニメ制作プロジェクト「Project ANIMA」のキッズ・ゲームアニメ部門で大賞を受賞した品川一さんの原案をもとに、『【推しの子】』『NEW GAME!』などで知られるアニメ制作会社・動画工房が制作する異能バトル青春アニメだ。
舞台となるのは、隕石落下から10年後の閉鎖地域。巨大結晶が放つ奇跡の粒子「メビウス・ダスト」によって特殊能力を得た子どもたちは、その地域から出ることを禁じられ、能力を使ったチーム制の陣取りゲームに日々を費やしている。
高校生のアラキは、妹ステラや幼なじみのオルガとともにチームを結成してゲームに参加するが、そこに研究者の湯田博士が現れ、ある実験への協力を持ちかけることで物語は動き出す。
動画工房初のオリジナル異能バトルアニメであり、閉鎖的な環境で生きる若者たちの鬱屈や承認欲求、兄妹の絆といったジュブナイル作品としての魅力も感じさせる本作。2019年のProject ANIMA大賞受賞・アニメ化決定から約7年を経ての放送であり、制作陣にとっても思い入れの強い一作となりそうだ。
2024年放送の『夜のクラゲは泳げない』以来、動画工房が久々に手がけるオリジナル作品。長い月日をかけて生まれたこの世界が、どのように映像として結実するのか見ものだ。
■人魚姫の物語、その200年後へ『さよならララ』
最後に紹介するのは、キネマシトラスの設立15周年記念として企画された完全オリジナルアニメ『さよならララ』。2024年のAnime Centralでの発表から約2年、いよいよ放送を迎える。
本作は、1837年のハンス・クリスチャン・アンデルセンによる童話『人魚姫』の結末から200年後を描いた現代ファンタジー。王子への恋が成就せず泡となって消えた人魚姫ララが、人間の姿で琵琶湖に蘇る。そして滋賀県大津で暮らす高校生ボクサー・大津茉里との共同生活を通し、「本当の愛」を探し始める物語となっている。
恋愛だけでなく友情や家族関係など、現代社会を初めて目にするララの反応が楽しみな同作。悲劇的な原作とは異なる、日常的な青春描写も見どころとなりそうだ。
セル画チックなレトロな色合いと温かい雰囲気が漂うティザーPVには、「こういうのがずっと見たかった」「絵柄がすっごく好み!」といったコメントが続出。また、タイトルの「さよなら」や、『人魚姫』モチーフの作風から「結末どうなるんだろう」「ハッピーエンドだといいな…」と、展開に対する期待と不安が入り混じったコメントも目立った。
悲劇として幕を閉じた物語の「その後」を、現代の琵琶湖がどのように映し出すのかも注目したい。
サーカス、異能バトル、童話と、題材もジャンルも三者三様の今夏のオリジナルアニメ。原作のない物語だからこそ味わえるリアルタイム視聴の高揚感を、ぜひ楽しんでほしい。
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