■ロボット形態のほうがレア? 「空爆ロボ」の肩書を持つ『グロイザーX』
次に紹介するのは、1976年から放送された『グロイザーX』です。カルト的な人気を誇る『チャージマン研!!』でおなじみのナック(現・株式会社ICHI)が製作し、原作は「ダイナミックプロ」所属の桜多吾作氏が担当しました。
地球へ不時着したガイラー星人が、「ガイラー帝国」を名乗って地球侵略を開始。しかし、侵略に反対するガイラー星人の科学者ヤン博士の娘・リタが、空爆ロボ「グロイザーX」を奪って日本に亡命する。彼女は、地球を守る飛島パイロットチームの青年・海阪譲と知り合い、彼らとともにグロイザーXで帝国の野望を打ち砕くために戦う物語です。
本作が異色だったのは、ロボットアニメでありながら人型メカよりも飛行形態(空爆モード)のほうが基本だった点です。全36話中、人型の「グロイザーロボ」に変形したのは、わずか12回。オープニング映像にもロボット形態は登場せず、作品タイトルの『グロイザーX』は飛行形態のことを指しています。
そしてグロイザーXは、出撃時に長い滑走路が必要で、戦闘も空中での激しいドッグファイトがメインだったのも変わっています。
さらに特筆すべきは、正義の味方らしからぬ「全身武器だらけ」のすさまじい重武装です。必殺技は、飛行形態で放つ超巨大サイズの空中魚雷「フライング・トーペドー」。頭部アンテナからは「タキオン光弾」、眉間から「タキオンソニック」を放ち、口にあたる部分からは「タキオン・レインボー」と呼ばれる7色の光線を発射。息つく暇もないほどの火力を叩き込みます。
ちなみにこれらは武装の一部にすぎず、搭載兵器の種類が多すぎて、すべての名前を記憶するのが困難なほどでした。
その大半は飛行形態のグロイザーXしか使用できず、ロボット形態になると使用武器が減るというのも、当時の常識をいい意味で裏切る設定でした。
ちなみにロボット形態である「グロイザーロボ」限定の必殺技「フラッシュボンバー」は、射出した両腕が高熱を発し、敵メカを操縦者ごと溶解させるという、これまた主役機らしからぬ恐ろしい必殺技です。
そんなグロイザーXは、戦闘機というよりも武骨な爆撃機のような異様なフォルムです。巨大なボディに小さな顔があるという不気味なシルエット、そして敵と同じ「空爆ロボ」という物騒な肩書きを持つグロイザーXは、当時のロボットアニメの主役機の中でも群を抜いた異質な存在でした。


