■知恵を駆使して格上の相手を追い詰めた「ベンキマン」
巨大な歯車を武器とするギヤマスターとベンキマンの一戦も熱かった。
ベンキマンは第21回超人オリンピックのデモンストレーションにおいて、複数の超人をまとめて便器に流すという離れ業を披露したが、キン肉マンにパンツを詰まらせられたことで逆流を起こし、敗れるという哀れな結末を迎えている。
ギヤマスター戦では襲いかかるギヤ(歯車)に自身のベンキが壊されそうになるも、機転を利かせてギヤオイルを水で洗い流し、優位に立つ。さらに「火事場のクソ力」を発揮して頭のオブジェで反撃していく。
ギヤマスターの胸部で回転する歯車に巻き込まれないようにと、ベンキマンは頭の“オブジェ”を放り込む。これが意外にも硬く、歯車の回転速度が落ちたギヤの隙を突き、秘技「アリダンゴ」によってギヤマスターの巨体を完全に丸め込むことに成功した。
必勝パターンに持ち込んだベンキマンの成長に感心させられるが、便器に流されたギヤマスターはギヤの推進力を利用して脱出。最終的にベンキマンはギヤに巻き込まれ、全身をズタズタに破壊されてしまった。
戦いには負けてしまったが、一時は六鎗客たちを動揺させるほどの攻撃を見せたベンキマン。パワーの差を知恵と工夫で埋め、格上の相手をあと一歩まで追い込んだ彼は、間違いなく大きな成長を遂げた正義超人といえるだろう。
■残虐超人としての矜持! カレーを駆使した残虐ファイトで魅せた「カレクック」
てんとう虫をモチーフにしたマリキータマンと対戦したカレクックは、正義超人としてではなく、残虐超人としてのプライドを持って戦いに挑む。第20回超人オリンピックでは、よく分からないうちにキン肉マンに敗れてしまった彼にとって、かつての雪辱を果たす絶好のチャンスだった。
カレクックはマリキータマンの弱点である、てんとう虫の甲殻に覆われていないボディ部分を執拗に攻撃。手刀で傷口をえぐりながら、頭のカレールーをすり込むという残虐ファイトを展開する。おそらくめちゃくちゃ辛いカレールーだけに、その痛みはハンパなかっただろう……。
さらに、カレールーで目潰しをする「ガラムマサラサミング」や、顔面に投げつける「オールスパイスシールド」など、カレーを応用した多彩な技でマリキータマンを翻弄。両足で相手を固定して背骨にダメージを与える、見た目にもカッコいい大技「ガンジスブリーカー」も披露した。
しかし、超人強度の壁は厚かった。その後マリキータマンの反撃に遭い、劣勢に立たされたカレクック。最後は立ち関節技の「コキネリツイスター」によって、脇腹から体を裂かれ、敗れてしまった。
それでも、残虐超人としての矜持を貫き通したカレクックのテクニカルなファイトには、敬意を表したいものである。
最後は、狼の騎士・ルナイトと戦ったウルフマンだ。彼は現役を退いていたにもかかわらず、この戦いで見事に勝利をおさめた。
ここまで仲間が全員敗北していただけに、ウルフマンもあっさり負けるのではないかと思われたが、応援に駆けつけたキン肉マンとの友情や、散っていった仲間たちとの絆によって「友情パワー」を発動させる。そして、土俵際の驚異的な粘りを見せ、起死回生の大技「不知火・雲竜投げ」で勝利をもぎ取ったのだ。
第21回超人オリンピックでは、優勝候補から一転してやられ役になってしまったウルフマン。彼が永世横綱としての誇りをかけてつかんだこの勝利は、敗れた4人の仲間の名誉を挽回するものであった。
そして結果的に敗れたとはいえ、4人の超人たちが見せた成長と進化、その雄姿は、読者の胸を熱くさせたことは間違いない。
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