■不二子のほうが結婚に前のめり!?……第1シリーズ・第13話「タイムマシンに気をつけろ!」
峰不二子と言えば、「裏切りは女のアクセサリー」を信条にする謎の美女。持ち前の美貌を武器にルパンを翻弄し、都合よく扱っては裏切る魔性の女である。そんな不二子は、ルパンから再三熱烈なアプローチを受けながらも、その感情を利用してあっさりダマす展開はアニメの定番といえるだろう。
だが、第1シリーズの第13話「タイムマシンに気をつけろ!」は、不二子から本気のアプローチを受けて、逆にルパンが引いてしまうという異色回だった。
科学者の魔毛狂介は、突如ルパンの前に現れて数日後にルパンが消えることを宣言する。実は魔毛一族は、900年後の未来でルパンの末裔に一族を滅ぼされるため、魔毛狂介はタイムマシンを開発。その根源を断つことで、ルパン一族の存在そのものを消そうと動いていた。
時代を遡って人を消していく魔毛狂介の圧倒的な力に恐怖したルパンは、次第に精神的に追い詰められていく。そして3日後の死が逃れられないことを悟ったルパンは、不二子と結婚することで子孫を残そうと本気でプロポーズする。
真剣に懇願するルパンの姿を見た不二子は、「わかったわ、OKよ」と結婚を受諾。さっそく教会で式を挙げて誓いのキスを交わそうとした瞬間、魔毛狂介によって不二子はさらわれてしまう。
この絶望的な状況の中、ルパンは次元や五ェ門と一緒に一芝居打ち、魔毛狂介を罠にかける。そして魔毛のタイムマシンを完全に破壊し、一族滅亡の危機から脱するのである。
こうしてルパン一味に平穏が訪れたが、不二子はルパンの求婚を信じ込んだままだった。ルパンの腕をつかんで教会に駆け込もうとする不二子に対し、ルパンは「助けてー、俺はまだ一人でいたいんだ」と本音を漏らし、逃げまどっていた。我々のよく知る2人の関係性とは真逆の、珍しいルパンが描かれた異色回といえるだろう。
このエピソードは「タイムマシン」を題材としたSFチックなエピソードであり、もっともルパンを追い詰めた強敵として、魔毛狂介はファンから一目置かれることになった。
その後のテレビスペシャル『霧のエリューシヴ』(2007年)に原作準拠の魔毛狂介が登場。OVA『ルパンは今も燃えているか?』には本エピソード(第13話)と同一人物の魔毛狂介が、後日談として再登場を果たしている。


