2026年7月から始まる最終章「千年血戦篇ー禍進譚ー」の放送も控え、アニメ『BLEACH』(原作:久保帯人氏)が再び大きな注目を集めている。
そんな本作は、アニメオリジナルエピソード、通称「アニオリ」が数多く存在することでも知られている。しかし原作ファンの中には「本編と関係ない外伝」として、視聴していない人も少なくないのではないだろうか。
ところが実際には、原作者である久保氏自身が深くかかわったエピソードや、後の公式作品へつながる設定を含んだシリーズも存在し、単なる外伝として片付けるには惜しいアニオリも少なくないのだ。
今回は、「千年血戦篇ー禍進譚ー」放送前にぜひ見返しておきたい、『BLEACH』屈指のアニメオリジナルエピソードを3作品紹介する。
※本記事には作品の内容を含みます。
■原作へ逆輸入された設定も!? 最高傑作の呼び声も高い「斬魄刀異聞篇」
アニメオリジナル長編の中でも特に人気が高いのが、第230話から第265話にかけて放送された「斬魄刀異聞篇」である。これは、藍染惣右介率いる破面(アランカル)との決戦の最中に挿入された、全36話にわたる長編シリーズだ。
物語は、死神たちの武器である斬魄刀が実体化し、持ち主に反旗を翻すという異常事態から始まる。謎の男・村正によって解放された斬魄刀たちが、それぞれの能力を駆使して死神たちを追い詰めていくという、斬新な展開が描かれた。
本シリーズ最大の魅力は、原作ではほとんど描かれなかった「斬魄刀の人格と姿」が公式デザインとして多数登場する点にある。朽木ルキアの袖白雪、朽木白哉の千本桜、阿散井恋次の蛇尾丸といった人気の斬魄刀たちが次々と実体化し、それぞれ独自の性格や主である死神との関係性を見せてくれる。しかも、それらのデザインは久保氏自らが監修しており、アニメオリジナル設定でありながら、公式の解釈としても楽しめる内容だ。
なかでも象徴的なのが、京楽春水の斬魄刀・花天狂骨の存在だ。「斬魄刀異聞篇」で妖艶な着物姿の女性として実体化して登場したそのビジュアルは、後に原作最終章「千年血戦篇」でも採用され、ユーハバッハ親衛隊のリジェ・バロとの死闘において描かれた。
京楽との印象的なやりとりは、原作ファンの間で屈指の名場面として知られているが、そのキャラクターデザインの原型は、実はアニメオリジナルシリーズで先に描かれていたのである。
この事実は、「斬魄刀異聞篇」が単なる外伝ではないことを物語っている。原作派であっても一度は見ておきたい、『BLEACH』アニオリの代表作だ。
■原作では見られない夢の対決! ハイクオリティな作画が光る「護廷十三隊侵軍篇」
続いて紹介したいのが、第317話から第342話まで放送された「護廷十三隊侵軍篇」である。これは、「破面篇」での藍染との決戦後を描いたアニメオリジナルシリーズだ。
物語の中心となるのは、かつて技術開発局の研究員だった因幡影狼佐。彼は護廷十三隊の隊長や副隊長たちのデータをもとに作り出した「霊骸」を操り、尸魂界(ソウル・ソサエティ)の混乱と支配を目論む。
本作最大の見どころは、原作では実現しない数々のドリームマッチだ。ルキアVSルキアといった本人同士の戦いはもちろん、日番谷冬獅郎VS白哉、砕蜂&隠密機動VS更木剣八、さらには山本元柳斎重國VS京楽・浮竹十四郎・卯ノ花烈といった豪華カードが次々と実現する。
さらに本シリーズは、旧テレビアニメ版『BLEACH』の中でも特に映像クオリティが高いことで知られる。斬魄刀同士が激しくぶつかり合うアクションや、鬼道が飛び交う大規模戦闘は迫力満点。隊長格たちが全力で激突する戦闘シーンは、多くのアニメファンの間で高い人気を誇っている。
また、時系列的には、主人公・黒崎一護が藍染との死闘の代償として死神の力を失った時期に位置している。本シリーズでは、死神の力が徐々に弱まっていくというアニメ独自の解釈が取り入れられており、戦えなくなっていく一護の焦りや喪失感が丁寧に描かれている。派手なバトルの裏でどこか切ない空気が漂っているのも、本シリーズならではの魅力といえる。


