「のろいのカメラ」に「しかえし伝票」、「たましいふきこみ銃」も…『ドラえもん』人間の残酷さを浮き彫りにする「恐怖の復讐ひみつ道具」の画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』第1巻(小学館)©藤子プロ・小学館

 藤子・F・不二雄さんの『ドラえもん』は、夢のような「ひみつ道具」の数々で、子どもたちに希望を与えてきた作品だ。「どこでもドア」や「タイムマシン」など、大人になった今でも憧れてしまう便利なひみつ道具も多い。

 しかし、作中に登場したひみつ道具のなかには、人間の復讐心を浮き彫りにする恐ろしいものもあった。もしも現実世界に存在すれば、犯罪につながりかねない危険なひみつ道具もあるのだ。

 そこで今回は、人間の恨みを晴らすために登場した「恐怖の復讐アイテム」を紹介したい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■無邪気な少女たちの遊びでドラえもんが死にかける「のろいのカメラ」

 てんとう虫コミックス第4巻に収録されている「のろいのカメラ」は、まさに復讐のために生まれたかのようなブラックな道具である。

 ある日、スネ夫にバカにされて悔し泣きをするのび太のため、ドラえもんは「のろいのカメラ」を取り出す。

 このカメラで人物を写すと、その相手そっくりの人形ができあがり、その人形に与えたダメージが本人にそのまま伝わるというのだ。あまりの危険さに、ドラえもんも当初は使うことをためらったほどである。

 しかし何も知らないのび太は、そのカメラでドラえもんの寝顔や両親を撮影し、人形を作ってしまう。その後、3体の人形がジャイ子や、その友だちのガン子ちゃんの手に渡ったことから悲劇が始まった。

 少女たちはむじゃきに人形を使って「お医者さんごっこ」を始め、熱があるからと人形を冷蔵庫に入れたり、首をちぎろうとしたりする。そのたびに、ドラえもんやパパ、ママは激しい苦痛に襲われるのだ。

 このエピソードでは、子どもの遊びによるトラブルとして描かれているが、仮に悪意や復讐心を持った人物がこの道具を手にすれば、とんでもない悲劇が起きることは想像に難くない。「のろいのカメラ」は、絶対に世の中に誕生させてはいけない禁忌のひみつ道具といえるだろう。

■復讐を企てた者が倍返しされる皮肉な結末「しかえし伝票」

 続いて、コミックス第38巻に収録されている「しかえし伝票」のエピソードを紹介したい。

 二十二世紀デパートから誤って送られてきた「しかえし伝票」。この道具は、伝票に「げんこつ三発」などと相手から受けた被害を書き込んで捨てておくと、それを拾った人がかわりに仕返しをしてくれるというもの。

 これを使ってジャイアンに復讐しようと企むのび太。「そんなもの使ってもろくなことない」と忠告するドラえもんを無視して伝票を捨てるが、それを先生に見つかり「ひろいなさい」と叱られる。結局、自分で伝票を拾ったのび太がジャイアンに仕返しをするハメになり、案の定ボコボコにされてしまうのだ。

 それでも諦めずに再度試すと、今度はしずかが伝票を拾ってしまう。慌ててのび太は伝票を奪い取り、結局2回とものび太自身がジャイアンに仕返しすることになるのが、この話の顛末である。

 このエピソードでは恨みを晴らそうとする人間のエゴが、そのまま自分に返ってくるという教訓めいた物語として描かれていた。しかし、もしのび太の復讐が成功していたら、彼はこの伝票に頼りきりになる人生を送ったかもしれない。

 作中でドラえもんが叫んだ「こんなずるいひきょうな道具は大きらいだ!!」というセリフに、大いにうなずいてしまうエピソードである。

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