■裏切りに染まった激情…ハードな愛憎劇が描かれた『超獣機神ダンクーガ』

 『超獣機神ダンクーガ』は、1985年に葦プロダクションが手がけた全38話の作品です。当初は全52話が予定されていましたが途中で打ち切りに。しかし、のちにテレビシリーズの続編やスピンオフとなるOVA、小説、コミックなどが展開された人気作です。

 物語の舞台は20世紀末。宇宙からの侵略者ムゲ・ゾルバドス帝国から地球を守るため、藤原忍をリーダーとする4人の若者たちが「獣戦機隊」を結成。彼らは“野獣の本能”を秘めた4体の超兵器「獣戦機」に乗り込み、超獣機神「ダンクーガ」へと合体して死闘に臨みました。

 本作において、ドロドロの愛憎劇を繰り広げたのは、獣戦機隊の紅一点でありヒロインの結城沙羅と、もともと主人公の忍たちの教官をしていたシャピロ・キーツです。

 シャピロは非常に優秀な軍人で、侵略者に対する策などを進言しますが地球の上層部はまったく取り合わず、彼のプライドを傷つけます。その後、地球軍の惨状を目の当たりにしたシャピロは地球を捨て、ムゲ帝国に寝返ったのです。

 そしてシャピロと沙羅は恋人同士でした。シャピロが地球を裏切った際、沙羅も彼に同行しようとしましたが、忍に阻止されます。

 その後も沙羅は、自分がシャピロから教わった曲を口ずさむ少女に心を乱されるなど、彼への未練をなかなか断ち切ることができませんでした。

 しかし、衝突を繰り返しながらも忍と沙羅は次第に絆を深め、いつしか互いに惹かれ合うようになります。一方のシャピロは、最終的に寄り添い続けてくれた女参謀ルーナ・ロッサにまで見限られ、最後は沙羅の手によって射殺されたのです。

 「かつて愛した相手をヒロイン自ら殺す」という、ロボットアニメ史の中でも屈指のハードな愛憎劇が描かれた『ダンクーガ』。傲慢なシャピロを想い、涙し、最期は自らの手で終止符を打った沙羅は、彼の死をもって、ようやくその呪縛から解放されたのかもしれません。

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