■派手さはないのに、胸が熱くなる演技

 第2話「希望のコーヒーとタマゴサンド」では、塾講師・桐山良郎(泉澤祐希)の夢と挫折の物語。ミツが桐山の絵を褒めてしまったことで彼を追い詰め、姿を消してしまい責任感からツギに「探してほしい」と頼む展開だが、特に桐山を探しに行くツギの荒々しい優しさと、ミツの柔らかい謝罪のコントラスト。同じ俳優が演じているとは思えない演じ分けにゾッとする。

 ケンティーは明らかに「目の光」を自在に調節している。ミツのキラキラした笑顔の明るさと、ツギの獣のような暗い眼差し。たったワンシーンで二人の底知れなさを表現する演技力。恐ろしさのあまり、私は全身の毛穴という毛穴がかっ開いてしまった。

 第3話「メランコリックないちごパフェ」では、中学生女子たちの友情とスイーツを巡るエピソード。ミツがスイーツフェアを企画するシーンでの、子どもたちに対する自然な優しさ。ケンティーの笑顔は本当に「武器」。キラキラした目で「いちごパフェ、最高だろ?」と言うだけで人間をトリコにする。一方で、ツギが陰で問題を解決する荒々しい優しさも際立っていた。ミステリアスな兄弟の関係性が、少しずつ明かされていく過程が心地よい。

 第4話「偏屈じじいのやわらかたまご雑炊」。これが現時点で一番心に刺さった回だ。コンビニ嫌いの偏屈じじい・大塚多喜二(光石研)と、寂しげな小学生・南方ひかる(渋谷いる太)の交流。運動会で父親が来られないひかるをかばい、二人三脚に出場を宣言する多喜二の変化。「たいてい悪役」でおなじみの光石研が、厳しくも優しいじいさんを熱演。

 ここでの中島健人のツギの演技は、ただの「いい人」ではない。ひかるにアドバイスをする時の穏やかな声のトーン、抑え気味でありながら、感情の機微を確実に伝える。特に、夫婦の絆を癒す助言シーンでの「静かな包容力」が圧巻。派手なセリフはないのに、胸が熱くなる。アイドルとしてのカリスマを、日常の小さな優しさに変換する術を、彼は完全に会得している。

 第1~4話を通して感じるのは、中島健人の演技が「虚構と現実のバランス」を完璧に取っている点だ。ミツは漫画的に魅力的なフェロモン店長でありながら、現実のコンビニ店長としても「いそう」と思わせる。ツギは荒っぽいのに、根底に兄弟愛がある。同じ俳優が演じているからこそ生まれる、二人の「鏡のような関係性」が、このドラマの最大の魅力になっているのだ。

 まだ序盤だが、門司港のレトロな空気とコンビニの日常が織りなす温かさに、すっかりハマってしまった。ファンだけでなく多くの人に見ていただきたいドラマだ。そして一緒に叫んでほしい。

ケッッッ……テンティイイイイイーーーーーーーーー!!!!!!!

 

■著者プロフィール
かんそう
ブロガー・ライター・作家。北海道の片隅で意味不明な文章を綴る長男。
著書に『書けないんじゃない、考えてないだけ。』『推すな、横に並んで歩け』がある。

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IDOL1ST - 中島健人
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