■琴子と直樹の愛の行方が描かれたアニメ版「幻の最終回」
多少の違いはあれどアニメ版でも琴子の妊娠疑惑が浮上し、第23話以降では“未完のその後”が新たに描かれていく。
その後、婦人科で検査を受けると、直樹の見立て通り妊娠3か月であることが判明。知らせを受けた両家は喜びに包まれ、琴子と直樹もこれ以上ない幸せを感じていた。一途な琴子がついに愛する人と結ばれ、母になるこの展開は、彼女を見守ってきた読者にとっても大きな喜びである。
しかしこのエピソードは、「この時の私たちはまだ知らなかった。この先に、思いもよらない試練が待ち受けているなんて」という不穏なナレーションで締めくくられた。「琴子に何が……」と視聴者が胸騒ぎを覚える中、第24話で実質的な“幻の最終回”が描かれる。
頑張り屋の琴子は出産直前まで仕事を続け、新人医師として働く直樹を支え続けていた。しかしその無理がたたり、ついに妊娠高血圧症で倒れてしまう。
直樹は妻の異変に気づけなかったことを反省し、出産に立ちあってほしいという彼女の願いを優しく受け入れる。そこからほどなくして陣痛が起こり、ついに琴子は運命の時を迎えた。
だが、ここで直樹の同級生の松本裕子が急患として運び込まれ、医師が出払っているために手術ができないというトラブルが発生してしまう。患者を想う琴子は直樹を後押しし、初めての執刀に挑むことに。
直樹がそばにいないまま、琴子は不安を抱えながらも新たな命と向き合い、ついに元気な赤ちゃんをその腕に抱いた。一方、直樹もまた執刀医としての初めてのオペを無事に乗り越え、彼女のもとへと急ぐのだった。
駆けつけた直樹を見た琴子は、優しく微笑みながら生まれたばかりのわが子に「やっと会えたね。パパもママもずっと待ってたんだよ」「あなたのパパはすごいんだよ。お友だちの命を救って、駆けつけてくれて……」と語りかけた。
それぞれが別々の場所で大切なものと向き合ったこの出来事は、2人の間に築かれてきた絆と愛の深さを物語っている。
やがて4年の月日が流れ、琴美と名付けられた娘は琴子を困らせるほど元気いっぱいに育った。ラストシーンでは、桜並木の中を「みーちゃんパパと結婚するんだもん」という琴美に琴子が張り合いながら、親子3人で仲むつまじく歩く姿が描かれて幕を閉じる。
高校1年生から始まった琴子の恋は、アニメ版でこれ以上ないほど幸せな結末へとたどり着いた。2人が歩んできた時間の長さを思うと、このラストは原作ファンにとっても心地よく響くものだったのではないだろうか。
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