吾峠呼世晴氏による大人気漫画『鬼滅の刃』。現在、日曜朝のアニメ再放送をリアルタイムで楽しんでいるというファンも多いのではないだろうか。
本作の主人公・竈門炭治郎が最終選別を乗り越えて入隊した鬼殺隊は政府非公認の組織であり、産屋敷一族を中心として数百名を超える構成員がいる。
階級は10段階に分かれており、その頂点に9人の柱がいる。柱は階級最上級の甲まで昇進し、さらに鬼を50人倒すか、十二鬼月の1人を倒すかしなければなることができない、鬼殺隊の中でも特別な存在だ。炭治郎やその同期たちは、最終選別合格後に一番下の階級「癸(みずのと)」からキャリアをスタートした。
物語の性質上、どうしても柱や炭治郎、その同期隊士たちが目立ってしまうが、この階級の間にはさまざまな名もなき一般隊士が存在している。
漫画では一般隊士たちの出番は少なく、特別な活躍が描かれる場面はほとんどないが、アニメには原作にないオリジナルのシーンで、セリフや出番を与えられた者もいる。そこで今回は、今後の劇場版で活躍するかもしれない、アニメオリジナルのシーンでフォーカスされた「名もなき一般隊士たち」について振り返りたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■アニメで登場シーンが増えた「一般隊士」たち
炭治郎が一般隊士たちとともに研鑽するアニメの「柱稽古編」では、一般隊士の登場シーンが顕著に増えていた。
たとえば、ほぼアニオリで展開された第4話「笑顔になれる」では、霞柱・時透無一郎のもとで柱稽古に励む一般隊士たちの姿が丁寧に描かれた。
時透の実戦を想定した厳しい稽古では、少しでも隙を見せると「はい、死んだ」「君も死んだ」と木刀を突きつけられる。それでは緊張感がないからと真剣を使っての稽古になると、時透に対峙した灰色の瞳の隊士は恐怖のあまり泣き崩れてしまった。
ふだんの時透を見て柱の頑張りを知っているのに、同じようにできない己の無力さを悔しがる様子は、強さに自信が持てない多くの一般隊士の心を代表しているかのようだった。
しかしその後、炭治郎の発案で彼と時透の紙飛行機飛ばし対決が始まると、先ほどの灰色の瞳の隊士は「紙飛行機は自信あるんです」と名乗りを上げる。それをきっかけに、親交を深める彼らが見せた笑顔は爽やかで、明るい前途を予感させるシーンだった。
続いては第6話「鬼殺隊最強」にあった、岩柱・悲鳴嶼行冥のもとで稽古に励む隊士たちとの食事シーン。このときも、炭治郎が年相応の少年に見えてほっこりした回だった。
稽古の合間に囲炉裏を囲み、炭治郎が作ったおにぎりをありがたがって食べる隊士たちの姿は、まるで男子運動部の部室のようだ。和気あいあいとする隊士たちの雰囲気を見て、炭治郎は幼い弟や妹たちを思い出したようだった。
隊士同士の打ち解けた様子を見ていると、驚異の速度で強くなっていく炭治郎に対しても、一般隊士たちは萎縮することなく親しく接している素の姿がかいま見え、温かい気持ちにさせられた。
また第8話「柱・結集」では、村田をはじめとする多くの一般隊士が、炭治郎や柱たちと同じく無限城に落下する場面があった。そして『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』では、そんな彼らが鬼を相手に奮闘する様子が描かれており、柱稽古は間違いなく意味あるものだったことが伝わってきた。
そして鬼殺隊には刀を振るう隊士以外に、後方支援にあたる事後処理部隊の「隠」がいる。彼らに焦点を当てたアニオリシーンも少ないながら存在する。
「竈門炭治郎 立志編」の第21話「隊律違反」では、那田蜘蛛山での戦闘の後、大人数の隠がテキパキと戦いの後処理をするシーンがあった。包帯でぐるぐる巻きにされた「治療済」の隊士たちを運んだり、動けない炭治郎や嘴平伊之助を回収したりと、忙しなく動き回っている。
また第23話「柱会会議」では、原作漫画だと男性のように描かれていた隠が女性として登場。隠には女性がいるという事実が示唆されたシーンだった。
隠は、物語本編に描かれていないところでも現場や建物の復旧、遺体処理、隊士の衣装縫製などさまざまな仕事を担っている。目立たないながらも、鬼殺隊における影の功労者といえるだろう。
無限城に隠たちが落ちる姿は確認できなかったが、彼らは地上で懸命にサポートに徹しているはずだ。作中では名前が明かされない名もなき一般隊士や隠は、今後の劇場版の中で原作にはなかった活躍シーンが描かれるのかも注目したい。
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