1979年放送開始のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』以降、映像作品だけではなくコミックスや小説、ゲームなど、さまざまなメディアで関連作品がリリースされてきた『ガンダム』シリーズ。その中で、確かな存在感を示しているのが『機動戦士ガンダムSEED』シリーズではないだろうか。
2002年放映のアニメ『機動戦士ガンダムSEED』、2004年放映の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』、さらに2024年には『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開され、大ヒットを記録している。
そして公式の外伝作品として『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズが存在する。『ガンダムSEED』シリーズの裏側を描いたストーリーが魅力で、長期に渡って続いており、現在も連載中のコミック『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ASTRAY』が佳境を迎えている。
今回は、外伝作品でありながら多くの媒体で展開されている『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズの魅力を掘り下げ、その人気の秘密を探ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■『SEED ASTRAY』シリーズの膨大な作品数にビックリ!?
アニメ『機動戦士ガンダムSEED』の世界の年代である「コズミック・イラ」を舞台に、本編の裏側で起こった戦いなどを描く『SEED ASTRAY』。「ASTRAY」には「王道ではない」という意味があり、外伝作品にふさわしい名称となっている。
『SEED』シリーズのアニメは大きく分けて『SEED』、『DESTINY』、さらに劇場アニメ『FREEDOM』の3作品がある。それに対し、2026年5月時点で『ASTRAY』の作品数はコミックスや小説、フィルムブックなど、その展開は多岐に渡り12作品も刊行されている。
作品によって主人公は異なるが、主要な登場人物としてジャンク屋組合に所属する天才メカニック「ロウ・ギュール」と、傭兵部隊「サーペントテール」のリーダーでコズミック・イラでも屈指の操縦技術を誇る「叢雲劾(ムラクモ・ガイ)」の2人がいる。
他には「オーブ連合首長国」の“影の軍神”などと呼ばれている「ロンド・ミナ・サハク」のように、アニメ本編には登場しないが、『ASTRAY』の中で重要な役割を担っているキャラも存在する。
作品数や登場キャラは多いものの、基本的にアニメ本編の時系列に沿って『ASTRAY』のストーリーは描かれているので、『SEED』の世界観をより深く知りたい人にとって、たまらない作品といえるだろう。
■アニメ本編では語られなかった「事件の裏側」にも注目
『ASTRAY』シリーズの大きな魅力の1つは、アニメ本編と密接に絡み合うストーリーである。ときた洸一氏による最初のコミック『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』(KADOKAWA)では、アニメ本編とほぼ同じ時間軸から物語はスタートする。
アニメ『SEED』の第1話の舞台である資源コロニー「ヘリオポリス」はオーブのものであり、中立を謳いながら極秘裏に大西洋連邦の「G兵器」開発に加担。敵対勢力である「ザフト」に襲撃されたところから物語は始まる。
裏でこの兵器開発に協力していたのがロンド・ミナ・サハクであり、G兵器の技術を盗用してオーブ独自のモビルスーツ開発に着手する。
このヘリオポリスでの戦いに巻き込まれたキラ・ヤマトは、なし崩し的に戦争に関与することになる。その発端を作ったのがロンド・ミナ・サハクなのだが、本編でそのことが語られることはなかった。
またアニメ本編でキラは親友であるアスラン・ザラと敵対し、物語中盤で死闘を繰り広げることになる。アスランはイージスガンダムで自爆を敢行し、キラのストライクガンダムを撃墜するシーンがあった。
この場面で機体内にいたキラが、どのように救出されたのかはアニメ本編では描かれていないが、『ASTRAY』において、実は戦いの場に居合わせたロウによって救出されたことが明かされた。
また続編アニメ『SEED DESTINY』の主人公機であるインパルスガンダムの開発秘話なども、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』の中で描かれている。


