■魔法は「掛ける」のではなく「書ける」もの?
本作が視聴者を魅了するのは映像美だけではない。物語の根幹にある“魔法”の設定も、大きな要因のひとつだ。
多くのファンタジー作品や異世界系における“魔法”は、血筋や特別な才能と結びつけて描かれることが多い。しかし本作では、魔法の正体が「描く技術」として示され、魔法使いになれるかどうかは、魔法陣を描くための知識と道具を適切に扱えるかどうかに関わってくる。
そして、作中では杖やインク、魔材といった道具が重要な意味を持ち、魔法そのものだけでなく、それを支える道具や技術体系にも関心が集まり、SNSでも「特殊能力とかではないんだ」「魔法具欲しすぎる」と、斬新な設定に驚く声が多くあがっていた。
また、ココが母親を石化させてしまったように、魔法は希望の力であると同時に、大きな危険をはらんでいることも第1話で示された。当初は魔法への憧れを持っていたココは、母の石化を機に、母を救いたい一心で魔法使いの世界に入っていくこととなる。
生まれつきの資質ではなく、仕組みを理解し、手を動かして扱う技術として魔法が描かれている点は本作の独自性を強く印象づけ、他の魔法ファンタジーとは一線を画す緊張感が多くの視聴者の心をつかむことになった。
■ココたちの成長が胸アツすぎる…!
そして、物語を支えるもう一つの要因が、未熟なココが仲間たちと関わりながら、少しずつ魔法使いとして成長していく姿である。
ココは魔法への憧れが強い一方で、まだ危険を見極める経験が足りない。第4話では、街で見つけた危険な魔法使いの一派「つばあり帽」を追ってしまい、相手の狙いも分からないまま行動した結果、仲間たちまで危機に巻き込むことになった。悪意からの行動ではないが、その無計画さが周囲に影響を及ぼしてしまう点に、彼女がまだ学びの途中にあることが表れていた。
その流れを受け、第5話で空間に迷い込んだ4人は、ココへの不信感ゆえに一時は険悪な空気になってしまう。しかし、厳しくも魔法使いとしての高い素養を持つアガット、明るく真っすぐな感情表現ができるテティア、独自の感覚を持ちつつ決して他責には逃げないリチェ、そこに初心者ゆえの純然な発想を持つココが加わることで、4人の関係が少しずつ形になっていく。
特に印象的なのは、ココが巨大な竜に対して「優しい魔法を知ってほしい」と考えるところだ。魔法に憧れてきた少女が、魔法の力だけでなく自身の優しさを起点に局面を変えようとする姿に、SNSでも「なんて優しい子なの…」「仲間って良いなあ」「みんな良い子だね」と、心打たれる視聴者の声があふれた。
圧巻のアクションシーンのなかで4人の意思が初めてひとつになり、ココたちの関係性と成長が同時に描かれる第5話となっていた。
映像や世界観、キャラクターたちの成長と、目の離せない展開で存在感を放つ『とんがり帽子のアトリエ』。一方で、つばあり帽の狙いや実態、心優しい先生として振る舞うキーフリーが最新話で見せた不穏すぎる眼差しと、まだまだ多くの謎が残される物語は、今後さらに進んでいくことになる。
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