ナイス改変にぐっと来た! アニメ第6部『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』の印象的な「アニオリ展開」マリリン・マンソン戦にラストシーンの描写も…の画像
『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』(C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険THE ANIMATION PROJECT

 荒木飛呂彦氏が手がける『ジョジョの奇妙な冒険』は、1986年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載をスタートして以来、ある一族の因縁の戦いを時代や舞台を変えながら描き続けている大人気作品だ。

 2026年3月からは、Netflixで第7部『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』のアニメ配信が始まり、大きな注目を集めている。

 その前作となる第6部『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』は2021年にアニメ化されているのだが、原作から大胆に改変された展開やシーンも多く、視聴者を大いに唸らせた。

 そこで今回は、原作ファンにも強烈な印象を残した、第6部アニメならではのオリジナル展開について紹介したい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■賭けのルールを逆手に取った鮮やかな勝利! マリリン・マンソン戦のオリジナル展開

 漫画にはなかった、数々のオリジナル展開が見られるアニメ版。そのなかでも、特にその構成の巧みさでファンを驚かせたのが、スタンド「取り立て人マリリン・マンソン」との一戦だ。

 このスタンドは、強欲で盗癖を持つ囚人・ミラションのもので、賭けに負けた相手からそれ相応の品を取り立てるという、面白い発動条件を持っている。作中では主人公・空条徐倫とフー・ファイターズ(F・F)がキャッチボールを何回続けられるか賭けを行い、その取り立て役として姿を現した。

 キャッチボールを続けながら、本体のミラションを追跡する徐倫たち。アニメでは、この戦いの決着シーンが大きく改変されている。

 後半、徐倫は給食運搬用のエレベーターにミラションを追い詰めるのだが、割り込んできた看守にボールを取られてしまう。

 漫画では徐倫たちは賭けに敗北。しかし、取り立てられる前にボールを投げつけるかたちで1000球分の“オラオララッシュ”を叩きこみ、ミラションを再起不能に追い込んだ。

 一方のアニメでは、同様に看守にボールを奪われるものの、徐倫はマリリン・マンソンが基準とする賭けのルールを逆手に取る。「キャッチボールの相手を指定していなかった」というルールの穴を突き、看守との間でもキャッチボールが成立するとしたのだ。

 そのうえ、手にしたボールをミラションに叩き込むことさえもキャッチボールの継続とみなし、最終的に徐倫は賭けに敗北することなく完全勝利をおさめるという、よりスマートな決着へと変更されたのだ。

 原作では力技で勝利する展開だったが、アニメでは賭けのルールの盲点を突くという知的な展開を加えることで、より自然で説得力のある決着シーンを描いていた。

 一部のセリフや描写は省略されたものの、難解な状況で繰り広げられるバトルを分かりやすくまとめ切った、絶妙なアニオリ展開といえるだろう。

■初登場時の描写はなぜ? アナスイの性別描写

 州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所からの脱獄を企てる徐倫だが、作中、彼女には数々の心強い協力者が現れる。その中でも、原作において特に奇抜な描写で登場したのが、囚人のナルシソ・アナスイだ。

 棘のついた帽子と長い髪を持つ美男子で、あらゆるものを分解せざるをえない癖を抱えた、危険な魅力を持った人物だ。徐倫に一目惚れして、すぐさま結婚を心に決めるなど、どこかずれた奇妙なパートナー関係を築いていくこととなる。

 そんなアナスイだが、漫画では初登場時、その顔つきや体形が明らかに女性的な特徴を持って描かれていた。そのため、後にアナスイと再会したF・Fが、彼が男性であることに驚く描写もあり、中性的なキャラクターとして描かれていたことが分かる。

 そんなアナスイがアニメで初めて姿を現すのが、第10話「サヴェジ・ガーデン作戦(中庭へ向かえ!)その1」でのひと幕。

 原作通り、少年エンポリオ・アルニーニョが作り上げた部屋で徐倫は協力者の面々と顔を合わせるのだが、そのなかにしっかりとアナスイの姿があった。

 セリフもないわずかな時間での登場だったが、アニメのアナスイは原作とは異なり、最初からがっしりとした男性的な骨格を持つ人物として描かれていたのである。このため、後にF・Fがアナスイの性別に驚く原作のシーンは、アニメでは大幅にカットされていた。

 原作でなぜ初登場時に女性風に描かれていたのかは、ファンの間でさまざまな憶測が飛び交っている。アニメではこうした複雑な背景を整理し、より分かりやすくするために展開自体をシンプルにしたものと考えられる。

 展開の短縮にもつながる良改変である一方、原作同様、ミステリアスな女性風に描かれたアナスイをアニメでも見てみたかった……と感じたファンも少なくないだろう。

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