4月20日より放送がスタートしたドラマ『銀河の一票』(フジテレビ系)。最大与党・民政党の幹事長である父によって政界を追い出された秘書・星野茉莉(黒木華さん)が、偶然知り合ったスナックのママ・月岡あかり(野呂佳代さん)をスカウトし、東京都知事選に挑むという「選挙エンターテインメント」である。
政治という難しいテーマに、“政治に無頓着なスナックのママが都知事を目指す”というユニークな切り口を掛け合わせた本作。第1話では、絶望の淵に立たされた茉莉を包み込む月岡あかりを演じる野呂佳代さんの存在感が、強い印象を残した。
※本記事にはドラマ『銀河の一票』第1話の内容を含みます。
■名言も飛び出す!真面目な秘書と心優しいママの運命の出会い
ある「告発状」をきっかけに父・鷹臣(坂東彌十郎さん)から切り捨てられ、夢も絆も失った茉莉。信頼していた幼なじみの政治家・日山流星(松下洸平さん)にまで裏切られ、絶望した彼女は、あてもないまま夜の街へと飛び出した。
そんな中差し込んだ一筋の光が、「スナックとし子」を営む月岡あかりである。2人は、茉莉が夜道で落とした“お守り”を探している時たまたま出会ったのだが、あかりは後日それを見つけ出し、わざわざ連絡してお店に呼び出してくれたのだった。張りつめていた茉莉にとって、その優しさは心を揺さぶるものだったに違いない。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ないんです」「私を1人にしないでください」。政治が本当に国民のためになっているのか疑問を抱く茉莉が、宮沢賢治の言葉を引用しながら感情を露わにするシーンは、胸をつくとともに考えさせられるものがあった。
そんな茉莉の思いを受け止め、「1人にしない、大丈夫。私が探すから、私にできること」と寄り添うあかりの姿は、さらなる感動を呼んだ。
初対面にもかかわらず傷ついた茉莉の心を丸ごと受け止め、「私が幸せでいるために、あなたにも幸せでいてもらわないと」と笑顔で言い切るあかり。その言葉と表情からは、彼女の作為のない純粋な優しさと、芯からの温かさが溢れ出していた。
そこにいるだけで安心感を与える癒しの空気をまとうのは、演技でも決して容易なことではないだろう。あかりを演じる野呂さんは、持ち前の人柄を活かしつつ、カラッとした明るさと懐の深さを柔らかく表現している。一連の流れは、まさに彼女の表現力の高さが光る名シーンといえる。
視聴者からは、「こんな素敵なママがやってるスナック行きたすぎるな」という声とともに、「野呂さんが現れただけでボロボロ泣いてしまった」「野呂ちゃんスナックのママ似合いすぎ」といった絶賛のコメントが相次いでいる。
野呂さんは近年、各局のドラマに引っ張りだこ。『ブラッシュアップライフ』をはじめとする話題作に立て続けに出演し、前クールの『リブート』では凄腕美容形成外科医という役柄を丁寧に演じきり、注目を集めた。巷では「野呂佳代出演作品にハズレなし」という格言まで誕生しているほど、その存在は今やドラマ界に欠かせないものとなっている。
これほどまでに女優としての野呂さんが支持される理由は、観る者の心を一瞬で解きほぐす圧倒的なナチュラルさにあるだろう。屈託のない笑顔や立ち振る舞いから湧き出る不思議な親近感が、作品のリアリティすらも底上げするのだ。
そして、野呂さんの演技になんとも言えない温度感があることも、評価を高める要素のひとつではないだろうか。綿密に計算された表現方法というよりも、彼女の内面が反映されたかのような温かさが全面に出てくるからこそ、今作のあかりのように、傷ついた茉莉を包み込むシーンでも嘘がなく、観る者の心にダイレクトに響くのである。
繊細かつ抜群の演技力の高さを持つ黒木華さんと絶対的な安心感を放つ野呂さんというタッグは、まさにベストキャスティング。2人が重なり合うことで、今後物語はより深みを増していくことだろう。
第1話のラストでは、茉莉が「月岡あかりさん、都知事になってください。なって私を副知事に指名してください」と情熱的にスカウト。唐突な申し出に驚くあかりがこの提案をどう受け止めるのか、そして2人がどのような道を歩んでいくのか、その行く末に注目したい。
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