■常に背水の陣! 迫りくるミサイルの緊張感がたまらなかった異色作『合身戦隊メカンダーロボ』

 特撮ヒーロー『ウルトラマン』に緊迫感をもたらしたのは、カラータイマーが点滅して3分間の活動限界を知らせる描写です。実は1977年に放映された、和光プロ製作のロボットアニメ『合身戦隊メカンダーロボ』は、そんなハラハラ感を毎週視聴者に突きつけてくる異色作でした。

 宇宙からの侵略者コンギスター軍団は、地球上の原子力施設を「オメガミサイル」で狙い撃ちし、日本を除く全世界を制圧。地球最後の希望は、敷島博士率いる敷島博士率いる大型要塞「キング・ダイヤモンド」と、主人公ジミー・オリオンたちが操る「メカンダーロボ」に託されます。

 実はジミーは、コンギスター軍団に滅ぼされたガニメデ星の王子であり、彼を逃がした母親は生体サイボーグにされて敵の奴隷になっているという、重い設定を背負ったワケありのヒーローです。

 そんなシリアスな世界観に拍車をかけたのが、ロボットアニメ史に残る絶望的な緊迫感をもたらす「タイムリミット」という絶望的な制約でした。

 実はメカンダーロボの動力源である原子炉を起動させると、敵の衛星が即座に感知。原子炉の核分裂反応めがけて「オメガミサイル」が発射されます。このオメガミサイルが着弾するまでの、わずか数分間(3~4分)のうちに敵を殲滅してパワーアウト(分離)できなければ、メカンダーロボはミサイルで粉砕されてしまうのです。

 ロボットよりもミサイルのほうが脅威という、ロボットアニメを全否定するような驚きの設定であり、視聴者としては毎回のようにハラハラさせられる過酷な展開でした。

 さらに、物語の中盤以降は大人の都合で「総集編」だらけに。無事に最終回まで放送されるのか、別の意味でも視聴者をハラハラさせました。

 とはいえ、敵が量産型戦闘ロボットを大量投入する描写や、防衛軍の比較的リアルな扱い、そして地球に平和が戻っても故郷を失ったジミーの心は救われないという切ない結末など、後の「リアルロボット路線」の先駆けとしても評価されています。


 整合性や常識、あるいは“お約束”すらかなぐり捨て、さまざまな側面から視聴者を驚かせてくれたロボットアニメ。「ロボットの組体操」や「全編ギャグ」、「起動すればミサイルで狙い撃ち」など、今考えても突拍子もない作品が生まれたのも、70年代というロボットアニメの黎明期だからこそかもしれません。

 

■『マシーンブラスター』の組体操シーンを映像でチェック

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