1970年代の後半、『惑星ロボ ダンガードA』(1977年)や『機動戦士ガンダム』(1979年)といったシリアスなロボットアニメが次々と人気を博します。
その陰では、王道の内容とは一線を画すチャレンジ精神のかたまりのような異色作も生まれていました。合体ロボ全盛期にあえて合体を捨てたり、人気だったシリアス展開とは真逆のアプローチに挑んだりと、視聴者目線では「もはやヤケクソなのでは?」と疑うようなインパクト重視のアイデアが飛び出します。
そんなハチャメチャな内容で強烈なインパクトを残した異色のロボットアニメを、大人になってからあらためて見返すと感慨深いものがあります。そこで今回は、1970年代のロボットアニメ界に、とんでもない爪痕を残していった「トンデモ作品」たちを振り返ってみたいと思います。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■組体操こそが最強の必殺技? ロボット不在の異色回もあった『ブロッカー軍団IV マシーンブラスター』
当時小学生だった筆者がトンデモメカと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、1976年放送の『ブロッカー軍団IV マシーンブラスター』です。
本作は『世界名作劇場』などで知られる日本アニメーションと葦プロダクションの共同製作で作られ、日本アニメーション初となるオリジナルロボットアニメ作品でした。
物語は、2億年の眠りから覚めた海底帝国モグールが地上侵略を開始。これに対抗すべく由利博士が4体のロボット「マシーンブラスター」を開発します。操縦するには「エレパス」と呼ばれる超能力が必要で、主人公・飛鳥天平らはこのマシーンブラスターに乗って過酷な戦いに身を投じるのです。
当時は『ゲッターロボ』(1974年)を皮切りに、合体ロボがブームの真っ只中。しかし本作は4体ものロボットを擁しながら“合体”を捨て、なぜか「ブロッカー陣形」という独自路線で必殺技を発動します。
この「ブロッカー陣形」とは、各機が体を密着させて特殊な体勢をとることを指し、いわばロボットによる「組体操」。4機が騎馬戦のような体勢になるほか、背中合わせで腕を組んでグルグル回る「不動組み」、数珠つなぎになって突進する「一文字崩し」など、いろいろな陣形のバリエーションがありました。
なかでも、4体が互いの手足をつかみ、輪になって高速回転する「円月廻転」は見た目のインパクトも絶大。各機ミサイルやレーザーなどの飛び道具も装備していますが、結局のところ、この肉弾戦こそが最強なのです。
ちなみに2017年には、放送40周年を記念して『UFO戦士ダイアポロン』『超合体魔術ロボ ギンガイザー』『合身戦隊メカンダーロボ』とのコラボ共演が実現。『マシーンブラスター』を含む4作品の主役ロボがそろって「ミラクル円月回転」を繰り出し、ファンを大いに沸かせました。
また『マシーンブラスター』は、今では考えられない破天荒な設定も魅力。アウトローな主人公が多かった時代とはいえ、パイロット4名のうち2人が少年院出身。18歳の天平だけでなく、10歳の早見仁太も少年院にいました。
そんな彼らのエレパス能力に目をつけて、拉致同然でパイロットに仕立てた由利博士たちも、なかなかぶっ飛んだ大人といえるでしょう。
個人的に印象に残っているのは、第24話「明日につなげ! 命の火」という回。天平が友人を救うために、単身ヤクザの事務所に乗り込み、ライフルで戦ったり、セスナでドックファイトを披露したりします。
結局、本編に主役ロボが1秒も登場しないまま、人間同士の復讐劇で幕を閉じるという、ロボットアニメらしからぬ、超ハードボイルドな異色回でした。


