■コメディに全振り!? 元祖・脱力系ギャグロボットアニメ『超人戦隊バラタック』

 1977年に放送された『超人戦隊バラタック』は、東映動画(現・東映アニメーション)が製作した、とんでもない“異色作”です。

 地球から11光年離れたイプシロンのシャイディーン総統は、地球に親善使節団を派遣しますが、それを任された司令官ゴルテウスは、あろうことか本国の命令を無視して地球侵略を開始。

 地球の加藤博士の家族はゴルテウスに拉致され、加藤博士の次男・ユージは仲間たちとともに合体指令メカ「ペンタゴラス」、巨大ロボ「バラタック」を操り、ゴルテウスの野望に立ち向かう……というのが大まかなあらすじです。

 放映当時は、矢追純一さんのUFO番組やユリ・ゲラーさんの超能力番組の影響で空前のオカルトブーム。前述の『マシンブラスター』同様、本作でも5人の超能力者(エスパー)が活躍します。

 本作は『鋼鉄ジーグ』『マグネロボ ガ・キーン』に続く「マグネロボシリーズ」の第3弾。しかし『超人戦隊バラタック』は、前2作が作った「ヒーロー然としたロボットアニメ」の流れをぶち壊し、コミカルなドタバタ劇が描かれたのです。ギャグに全振りしたロボットアニメというのは、当時見たことがありませんでした。

 そもそも、ゴルテウスが地球を狙った理由は「地球の珍しい物が欲しい」という、ただのワガママ。バラタック側がまじめに地球を守っているのに対し、敵側はトンデモ作戦のオンパレードです。

 第4話「スキスキ! 大仏さま」の回では、大仏に惚れ込んだゴルテウスが部下に強奪を命じる始末。ほかにも、上野動物園のパンダや、大阪城、はてはスーパーカーまで、ゴルテウスの欲しがるものは、完全に小学生レベルでした。

 その脱力感は、最終回(第31話)でピークに達します。そのタイトルは「もう終わりでーす」という情緒の欠片もないもの。

 ユージの家族は救出されてバラタック側が勝利し、捕らえられたゴルテウスは、安全性が担保されていないロケットのテストパイロットにされる結末。部下とともに宇宙へ飛ばされるゴルテウスが「もう終わりでーす」と、情けない顔で幕を閉じるのです。

 このシュールな展開こそが『バラタック』の真骨頂でした。

 そんな本作には、驚くほど豪華な声優陣が集結しました。主人公・ユージを演じた三ツ矢雄二さんを筆頭に、水島裕さん、潘恵子さん、石丸博也さん、つかせのりこさんが勢ぞろい。

 敵陣営も大塚周夫さん、永井一郎さん(加藤博士と兼役)、肝付兼太さんといった、今では考えられないようなレジェンドたちが全力でおふざけを熱演しました。

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