■時計の針で図形を作る!中毒性の高い『クロックス』

 最後に紹介するのは、1991年4月に徳間書店から『ディスクシステム』用ソフトとして発売された『クロックス』である。

 これはゲーム雑誌である“ファミマガ”こと『ファミリーコンピュータMagazine』(徳間書店)の企画で、1990年に開催された「第1回ファミマガディスク大賞」のゲームアイデア募集にて大賞を受賞した作品である。

 本作は「45°」「90°」「135°」「180°」の角度を意味する線が描かれた4種類のクロックピース(ブロック)が上から落下してくる、いわゆる「落ちゲー」の一種。このクロックピースを回転・移動させながらピースの線同士をつなぎ、輪(ループ)を完成させることで、ループの内側にあるクロックピースがすべて消滅するというルールだ。

 小さいループを素早く作っても良いし、画面全体に及ぶ大きいループを作って一気にクロックピースを消すこともできる。プレイヤーのアイデア次第で高得点を目指せる戦略性があり、他の落ちゲーと同様に一気にピースを消滅させる爽快感も味わえた。

 色や形をそろえるのではなく、「線をつなげる」という発想が非常に独創的である。各クロックピースは上下左右の2方向に線が伸びており、先を読んで配置しないとループが完成せずに、どんどん詰み上がってしまう。

 落下スピードが上がってくるとパニックになりやすく、テンポの速い激しいBGMが緊張感をより一層高めてくれる。この中毒性のあるゲーム内容には筆者もドハマりした。

 ちなみにこのゲームの考案者は、当時中学2年生の少年だったというから恐れ入る。当時、筆者と同世代の少年が生み出したアイデアの斬新さに、「天才はいるものだ」と感嘆したものだった。

 

 ファミコン時代のパズルゲームは、シンプルな操作性の中に斬新なアイデアが光り、繰り返し何度でも楽しめる名作が多かった。ここで紹介したゲームは、爆発的な大ヒット作とはいえないかもしれないが、地味に熱中させられた魅力的な作品ばかりだ。

 ファミコン時代のゲームには、これ以外にも語り継がれるべき「隠れた名作」が数多く存在している。他のジャンルの作品についても、機会があれば紹介したい。

 

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