■橘さんと小鹿さんが大切にしている「テンポ」

ーー変身後も繊細さが宿っていますね。それぞれ、演じるにあたり大切にしているのはどんなことですか?

 私はセリフひとつひとつに、横に意図を書いています。普段生活をしていると相槌とか無意識に打っちゃうことがありますが、この作品はとにかくひとつひとつ丁寧に、心が動く様が描写されているので、セリフひとつひとつ丁寧に話すようにしています。

小鹿 私は、ちゃんと落とし込んでから言葉を発する、ということを意識しています。この作品は、ほかのアニメ作品と比較すると会話のテンポがゆっくりなんです。

ーーたしかに! ここ最近の中では珍しいなと思いました。

小鹿 最近の主流は、ぱっぱっぱっぱとセリフを発しますが、この作品は、セリフとセリフの間に"間”があります。だからこそ流ちゃんを演じる上で「感情を早く切り替えなきゃ」と急かされる場面がないので、映像のゆったりとした速度に合わせて、ゆっくりと気持ちを変えていくということを意識しています。

ーー"間”として、自然界の描写、たとえば風が木々を揺らしている場面も入ったりしていましたね。それはなぜだと思いますか?

小鹿 この作品は“日常”で、誰でも魔法みたいなキラキラしたものに出会えるきっかけがあり、誰でも変われる可能性があるということを表現していると思っていて。その上で、日常の尊さみたいなことを表現する場面を描いているのかなと。

ーー細部まで丁寧に作り込まれた、とてもいいアニメ作品ですね。同時に"かわいい”も溢れています。ビジュアル、演出、セリフなど、ときめいたところはありましたか?

 音、ですね。アフレコのときは何も音がない状態で声を当てていましたが、効果音がついた状態のものを観て、『魔法の天使クリィミーマミ』の作品で観たような変身のときのキラキラした音がついていて、いっきに五感を揺さぶられて。すっごく心がときめきました。

小鹿 私は、第1話の最後で、リリィが魔法で出した花火を流ちゃんが自分の部屋の窓から見たシーンの、流ちゃんの目の輝きが印象に残っています。キラキラーッ! という目がすごくキレイだなあ……って。

橘 めい、小鹿なお 撮影/イシワタフミアキ
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