『ガンダム』シリーズの原点であるアニメ『機動戦士ガンダム』に登場したジオン公国軍のモビルスーツ「ザク」。主人公と敵対する陣営の量産機でありながら、主役機ガンダムに匹敵するほど愛されている機体だ。
初代アニメには、ザクIとザクII(シャア専用ザクを含む)くらいしか登場しなかったが、その後の映像作品や外伝作品などで、さまざまなザクのバリエーションが登場している。
高い人気を誇るザクは、これまでに「豆腐」や「ケーキ」とコラボするなど商品化されるケースも珍しくない。またガンダム関連のコミックやゲームの中で、ネタ的な扱いを受けることもあった。
そこで今回は、さまざまなガンダムの関連作品の中に登場した、特に異色に感じられたザクたちをピックアップ。公式から「愛のあるイジり」を受けることもあったザクが、どのように扱われていたのかも振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■長谷川裕一ワールド全開!? 恐ろしい猿が搭乗したザク
長谷川裕一氏のコミック『機動戦士ガンダムクロスボーン・ガンダム スカルハート』(KADOKAWA)には「バルブス」というモビルスーツが登場。同機の型式番号は「MS-06MS」であり、最後の“MS”は「モンキースペシャル」の略である。
実はこのバルブスという、ザクらしき機体に搭乗していたパイロットは、なんとチンパンジー。同コミックの説明によれば、かつてジオン公国軍はパイロット不足を補うために、類人猿(チンパンジー)をパイロットにする計画が極秘裏に進められていたという。その計画は終戦によって頓挫したと思われていたが、計画を遂行するためのプラントは終戦後も生きており、開発が続いていたらしい。
そして類人猿が操縦することを前提にザクをカスタムした機体が、バルブスである。MS-06の形式番号が示す通り、同機のベースとなったのは一年戦争時のザクII。むき出しの動力パイプや肩部のスパイクなど、全体的な雰囲気はザクIIに近い。
ただし、猿は足も器用に使うことから、バルブスの脚部は手と同じマニュピレーターに換装されている。そのため4本の手すべてに武器を装備することもできた。
『スカルハート』の巻末の解説には、バルブスは出力が向上されているおかげでゲルググ型のビームライフルも使用可能とある。さらに関節部の摩擦をなくして機動性を上げる「マグネット・コーティング」まで施されているという。
とはいえ宇宙世紀0080年頃の古い技術ではあるが、『スカルハート』の劇中で類人猿の乗ったバルブスは、連邦のエースパイロット「ハリソン・マディン」が駆るF91を圧倒する場面も描かれている。
もちろんこれらは、『スカルハート』ならではのぶっ飛んだオリジナル設定ではあるが、チンパンジーがバルブス(ザク)に乗って、F91やクロスボーン・ガンダムと戦うシチュエーションは衝撃的だ。


