2026年4月5日から、フジテレビ系にて全編再放送が始まったテレビアニメ『鬼滅の刃』シリーズ(毎週日曜朝9時30分放送開始)。
映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』も終映し、いわゆる「ロス」を感じている人も多いだろう。しかしここは、続く『無限城編』第二章、第三章をより楽しむためにも、今回の全編再放送を機に、改めて『鬼滅の刃』の世界をじっくり読み解こうではないか。
『鬼滅の刃』のアニメシリーズは「竈門炭治郎 立志編」、「無限列車編」、「遊郭編」、「刀鍛冶の里編」、「柱稽古編」と物語が続き、現在劇場版が公開中の「無限城編」に至る。
これまでさまざまな敵と戦ってきて、その度に喜びと悲しさを乗り越えながら確かに成長してきた主人公・竈門炭治郎。そして、彼を取り巻く人々にもまた、その数だけ物語がある。後になって「ここから繋がるのか!」と気づかされる巧みな物語構成は、『鬼滅の刃』が持つ大きな魅力の一つだろう。
今回はこの再放送を見るときに注目したい、「立志編」の時点ではサラリと描かれていたものの、後の物語で重要な意味を持つことが明かされた伏線を紹介したい。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます
■浅草で生まれた鬼が繋いだ意外な展開
まずは、炭治郎が鬼殺隊士になってから初の任務となった沼鬼と戦った直後の出来事である。鎹鴉から次の任務地として浅草に行くように言われた炭治郎は、そこでラスボスである鬼舞辻無惨と思わぬ邂逅を果たすのだ。
これは、アニメ第七話「鬼舞辻󠄀無慘」と第八話「幻惑の血の香り」で描かれている。
無惨も炭治郎を見てひとまずその場を離れなければならないと思ったようで、近くにいた通行人の男性のうなじを傷つけて鬼へと変貌させ、その混乱に乗じて行方をくらます。街中で突如人間が鬼化して騒然とする中、その場を救ったのは謎の美しい女性・珠世だった——というのがこの回のストーリーだ。
鬼はそれぞれが「血鬼術」という異能の力を持つが、この時、無惨に鬼にされた名もなき浅草の男性の血鬼術が、後の「柱稽古編」最終話で登場する。
産屋敷耀哉が自らの屋敷を爆破し、妻と子を道連れに自爆した後、無惨の足止めをするため、この男性の血鬼術が使われた。その能力は、細胞片を茨状の枝木に急成長させ、敵を貫きその場から動けなくするというものだった。
結果的には油断していた無惨の足止めに一役買った特異なこの血鬼術。物語序盤で登場した人物が、思わぬ形で再登場したことに驚いた視聴者も多かったことだろう。
この男性は鬼にされた直後は自我を失い、自身の妻に襲い掛かり肩に噛みつくも、炭治郎が咄嗟に彼を押さえたおかげで誰の命も奪うことなく済んだ。さらには竈門禰󠄀豆子の血を使った珠世の治療の甲斐あって、彼は後に正気を取り戻したことが明かされている。
作中で鬼になりながらも人間に戻ることができたのは、極めて珍しいパターンだ。偶然無惨に鬼にされたことは悲劇であったが、炭治郎や珠世との出会いのおかげで命がつながったともいえるだろう。


