■ひと目見ただけで「合格だ」一瞬で終わった最終試験

 「一級魔法使い試験編」で強烈な活躍を見せてきたユーベルは、最後までその「ヤバい女」ぶりを発揮する。

 いよいよ合否が決定する第三次試験は、大陸魔法協会の創始者であり、当代一の大魔法使い・ゼーリエとの1対1の面談であった。ゼーリエが受験者の才覚を直感で審査し、彼女に認められた者だけが合格するというシンプルなものだ。

 フェルンやデンケンといった実力者たちが次々と合格していく中、ついにユーベルの番が訪れる。しかしゼーリエは彼女を一瞥しただけで、ただ一言「合格だ」と告げた。

 ほかの受験者とは簡単な会話ぐらいは交わしてきたゼーリエだが、ユーベルとは一切話そうとしない。これにはさすがのユーベルも「んー? まだ何も話してないけど」とツッコむが、ゼーリエは「会話が必要なのか?」と取り合わない。

 こうして、ユーベルは史上最短ともいえる面談で三次試験を突破し、一級魔法使いの栄誉を手にした。あのゼーリエがひと目見ただけで合格を言い渡すユーベル、恐るべしだ。

 ただ、この面談の背景には、ゼーリエの個人的な感情があった可能性も考えられる。ユーベルがかつて殺害したブルグは一級魔法使いであり、ゼーリエにとって弟子にあたる人物だった。その愛弟子を手にかけるだけの実力は言うまでもなく認めざるを得ないこと、それに弟子を殺した彼女を快く思わないという複雑な感情も相まって、会話をしたくなかったのかもしれない。

 もしそうだとしたら、私情を挟まずに彼女の才能を認め合格させたゼーリエの公平さと、そんな彼女に合格を認めさせたユーベルの底知れぬ素質が凝縮されたエピソードといえるだろう。

 

 実力も行動も「ヤバい女」なユーベルだが、原作ファンからもアニメ視聴者からも人気が高く、第2回キャラクター人気投票では第4位にランクインしている。危険な香りがする女性キャラには、老若男女を問わず惹きつける魅力があるのかもしれない。

 今回はアニメ化された範囲のエピソードを中心に紹介したが、原作漫画ではその後もユーベルは再登場しており、ラントとの関係を通してひと味違う一面を見せている。ユーベルの一ファンとしては、彼女が再登場する話を早くアニメで見たいものだ。

 

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