■仁星の宿命…息子の死を誇りとして受け入れたシュウ
南斗六聖拳「仁星」の宿命を背負う、南斗白鷺拳の伝承者・シュウ。彼はかつて、幼き日のケンシロウの非凡な才能を見抜き、その命を守るために自らの両目を代償として捧げた“盲目の闘将”として知られる男だ。そんなシュウには、シバという聡明な一人息子がいた。
成長してシュウと再会したケンシロウだが、聖帝サウザーとの戦いに敗れ、囚われの身となってしまう。その窮地を救ったのが、シュウの息子・シバであった。
シバは傷ついたケンシロウを引きずって必死に運ぶが、やがて追い詰められてしまう。追っ手から逃げられないと悟ったシバは、ケンシロウを守るために自らが囮となり、追っ手もろともダイナマイトで自爆するのだ。
あまりにも壮絶な最期を遂げたこのシバの死を前に、「……すまぬ… おれには言葉が みつからぬ」と謝るケンシロウ。これに対しシュウは「ほめてやってください」「わたしも今 わが息子シバを ほめてやっていたところです」と、息子に流れる「仁星」の血を誇る。親としての慟哭を胸に秘め、息子の気高い最期を受け入れる姿はあまりにも切なかった。
いくら未来のためとはいえ、幼い息子が自らの命を犠牲にする行動は、親として容認できないものだろう。しかし「仁星」の宿命を背負ったシュウ親子は、誰かのために自身の命を捧げることに誇りを持ち、微塵の後悔も見せずに笑ってその運命を受け入れた。
のちにシュウも、民衆とケンシロウのために聖帝十字陵の頂上でその命を落とすこととなる。他者のために自らのすべてを捧げたシュウとシバの生きざまは、『北斗の拳』という物語のなかでも特に悲痛で胸を締めつけられる。
バトル漫画の枠を超え、人間社会にも通じる深い愛と義理人情を描いた『北斗の拳』。強敵たちとの死闘の裏には、常に命をかけて誰かを守り抜く姿があり、その最期を静かに見届ける者たちの存在があった。
そして今期、いよいよ新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』の放送が開始された。自身の命を犠牲にしてでも愛する者の命を繋いだ漢たちのドラマを、ぜひその目に焼きつけてほしい。
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