実写化作品において「女子高生」は、数えきれないヒット作を生み出してきた鉄板のジャンルである。しかし、原作で輝きを放っていたヒロインをそのままスクリーンに登場させるのは、決して簡単なことではない。女優自身の魅力、役への深い理解、そして制服姿が見事に噛み合った瞬間、二次元のヒロインは初めて“現実の存在”として命を宿すのである。
今回は、実写化作品において「可愛すぎる女子高生」を完璧に演じ切り、その圧倒的な存在感で作品に命を吹き込んだ女優たちを振り返っていく。
彼女たちがどのようにキャラクターの魅力を引き出し、ファンの心を掴んだのか。そこには、のちにトップスターへと登り詰めていく彼女たちが放っていた、今見ても眩しすぎる「あの頃だけの輝き」が詰まっていた。
(第4回/全5回)
※本記事には各作品の内容を含みます
■「再現度1000%」の衝撃ビジュアル…今田美桜さん『花のち晴れ』真矢愛莉
神尾葉子さんの大ヒット少女漫画を実写化した『花より男子』シリーズ(2005年〜)の正統続編として、2018年にドラマ化された『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』。
伝説の4人組「F4」が卒業してから10年後の英徳学園を舞台にした本作で、学園を牛耳る「C5」の紅一点・真矢愛莉を演じたのが、当時「福岡で一番可愛い女の子」として注目を集めていた今田美桜さんであった。
不動産王の令嬢である愛莉は、“学園の秩序”を名目に「庶民狩り」を主導する冷酷さと気品を併せ持つキャラクターである。第1話で放った「庶民狩りしちゃうから」という台詞。恐ろしい言葉を笑顔でさらりと言ってのけるその姿は、小悪魔という領域を通り越した、まさに「悪魔」と呼ぶにふさわしいものであった。
そして特筆すべきは、その圧倒的なビジュアルの再現度である。杉咲花さん演じる主人公・江戸川音や、前作で井上真央さんが演じた牧野つくしが着用していた一般生徒のえんじ色のブレザーとは異なり、選ばれしC5メンバーのみに許された“ブラックジャケット”は、愛莉の特別な存在感を際立たせていた。
頭の両サイドで高く結んだリボン編み込みツインテールは、原作漫画からそのまま抜け出してきたかのような完成度であり、放送開始直後からSNSでは「リアル愛莉様」と絶賛されるほどの反響を呼んだ。
大きな瞳を輝かせながらも、時に氷のように冷たい表情を見せるその佇まい。その姿は、実写化において容姿そのものが説得力を持つ、まさに成功例と言えるだろう。
当時、今田さん自身が「『愛莉、怖いよ!』と思いながら見ていただきたいです」と語るほど、その悪女ぶりは徹底していた。
音を執拗に追い詰めるドSな振る舞いや、凄絶な言動の根底には、神楽木晴(平野紫耀さん)への一途で不器用な恋心がある。第2話で平海斗(濱田龍臣さん)のネクタイを掴んで引きずり回したり、第3話でバットを振り回して怒りを爆発させたりするシーンは、なりふり構わず想いをぶつける愛莉の本質が剥き出しになった瞬間であった。
劇中で見せる自信満々な姿とは裏腹に、今田さん自身は初めて挑む「人をいじめる役」に当初は戸惑いを感じていたという。インタビューでは監督からの指導を受けながら声のトーンや仕草を工夫し、怖い台詞を笑顔で言うという愛莉ならではの表現を追求していったと明かしている。
こうした真摯な役作りがあったからこそ、物語中盤で音と和解した以降に見せた「最強の友人」としての屈託のない笑顔や、音の恋を全力で応援するひたむきな姿が、より一層多くの視聴者の心を掴み、愛されるものとなったのである。



