実写化作品において「女子高生」は、数えきれないヒット作を生み出してきた鉄板のジャンルである。しかし、原作で輝きを放っていたヒロインをそのままスクリーンに登場させるのは、決して簡単なことではない。女優自身の魅力、役への深い理解、そして制服姿が見事に噛み合った瞬間、二次元のヒロインは初めて“現実の存在”として命を宿すのである。
今回は、実写化作品において「可愛すぎる女子高生」を完璧に演じ切り、その圧倒的な存在感で作品に命を吹き込んだ女優たちを振り返っていく。
彼女たちがどのようにキャラクターの魅力を引き出し、ファンの心を掴んだのか。そこには、のちにトップスターへと登り詰めていく彼女たちが放っていた、今見ても眩しすぎる「あの頃だけの輝き」が詰まっていた。
(第3回/全5回)
※本記事には各作品の内容を含みます
■初恋に揺れる「等身大の瑞々しさ」…永野芽郁さん『ひるなかの流星』与謝野すずめ
2017年公開の映画『ひるなかの流星』は、やまもり三香さんによる同名漫画を原作とした実写作品である。
田舎から東京の高校へと転校してきた女子高生が、担任教師とクラスメイトの間で揺れ動く初恋を描いた本作。ヒロイン・与謝野すずめを演じたのは、当時17歳だった永野芽郁さん。本作は彼女にとって映画初主演作であり、その天真爛漫な魅力がスクリーンいっぱいに溢れる「等身大の可愛さ」に満ちた一作となっている。
物語は、上京したすずめが辿り着いた吉祥寺駅前で、都会の喧騒に圧倒される場面から始まる。永野さんの表情を捉えたアップは、観る者の視線を一瞬で引き寄せる力を持っている。現在の洗練された美貌とはまた違う、当時ならではの純粋無垢な輝きは、まさに初主演作の幕開けを飾るにふさわしいものであった。
東京での新生活に伴う制服の着こなしの変化も、本作の大きな見どころである。転校初日のすずめは、おでこを出した左右の三つ編みに、膝下まである長いスカートのセーラー服という、どこか野暮ったさの残る装いで登場する。
しかし、物語が進むにつれ、彼女のスタイルは少しずつ変化していく。原作でも印象的な深緑色のVネックセーターにチェック柄のスカート、冬服の茶色のジャケットといった衣装は忠実に再現されており、永野さんのフレッシュな佇まいと相まって、まるで漫画の世界からそのまま抜け出してきたかのような愛らしさを放っていた。
また、当初は恋のライバルとして対立していた猫田ゆゆか(山本舞香さん)と、ある出来事をきっかけに友情を育む展開も印象深い。ゆゆかの手によって可愛くメイクを施され、担任教師・獅子尾五月(三浦翔平さん)に恋心を自覚する教室での場面は、永野さんの可愛らしさが最大限に発揮された、本作屈指の名シーンと言えるだろう。
当時のインタビューでは、三浦さんが永野さんを親しみを込めて「ちんちくりん」と呼んでおり、これは劇中で獅子尾がすずめを「ちゅんちゅん」と呼ぶ描写とも重なる。
こうした共演者との垣根のない関係性は、初主演という重圧を背負っていた永野さんにとって、大きな支えとなったはずだ。事実、彼女は当時のインタビューで「実際に撮影に入ると、みなさんが良い雰囲気を作ってくださったんです。楽しみながら、勉強させてもらいながら撮影することができました」と周囲への感謝を語っている。
『ひるなかの流星』で見せた、あの初々しく瑞々しい輝き。与謝野すずめという等身大のヒロインに永野さんが吹き込んだ温かな命は、彼女の輝かしいキャリアの原点として、今なお色褪せることなくファンの心に刻まれているのである。



