4月1日から本格的に放送開始となる春アニメだが、今期は“再放送枠”のアニメにも注目が集まっている。
中でも最注目と言える作品が、今年で放送20周年を迎えた『涼宮ハルヒの憂鬱』だ。2006年初回放送の本作は、深夜アニメブームを象徴する作品として広く認知され、楽曲「ハレ晴レユカイ」をはじめ、2000年代のアニメ作品の中でもとりわけ大きなムーブメントを生み出した京都アニメーションの代表作。アニメファンでなくとも、一度は耳にしたことがあるかもしれない。
そんな2006年版『涼宮ハルヒの憂鬱』の第1話が3月30日に放送開始(TOKYO MX)。しかし、放送直後のSNS上では「これが第1話?」「状況がつかめない」といった声も見られるなど、新規視聴者を中心に困惑の反応が広がることとなった。
■「見る順序間違えた?」斬新すぎるエピソードに初見勢も困惑…
3月30日に放送された『涼宮ハルヒの憂鬱』の第1話だが、時系列どおりであれば、「涼宮ハルヒの憂鬱I」というエピソードが放送されるはず。「涼宮ハルヒの憂鬱I」では、静かで平凡な高校生活を送ろうとする男子・キョンと、憂鬱で不機嫌な電波少女のハルヒが出会い、長門有希、朝比奈みくるたちも含む“SOS団”を結成することから始まる。初見でもストーリーの流れやキャラクターの個性も分かりやすい内容となっている。
しかし、30日に放送された第1話は、ハルヒの説明でも、物語のあらすじでもなく、「ミ・ミ・ミラクル☆ ミクルンルン☆……」という少女の歌声に合わせた『朝比奈ミクルの冒険 Episode 00』という劇中劇だった。
これは劇中で涼宮ハルヒが監督を務めた自主制作映画なのだが、何の説明もなく流れた映像を見たハルヒ新規勢と思われる視聴者からは困惑の声が続出。「初見なんだがマジでわけがわからないよ」「あの、これ、何……?」「この子がハルヒ? え? 違う?」と、唐突すぎる展開に理解が追い付かない様子だった。
それもそのはず。実は、2006年に放送された『涼宮ハルヒの憂鬱』は、原作の谷川流さんと制作の京都アニメーションの意向もあり、「時系列シャッフル」という放送順が取り入れられている。本来の時系列ではなく、順不同のエピソードを放送する手法で、2006年当時もこの放送順は大きな話題となった。
当時、リアルタイムで視聴していたと思われる人々からは「今の若い子はこのノリをどう思うのかな」「懐かしい!」「今見ても前衛的過ぎるw」と、当時を懐かしむ声が多くあがった。また初見勢への配慮(?)の声も多く「初見さん安心して! 俺らもわけわかんないから!」「2話からは正常だよ」「次の回から本編!」と、1話切りを思いとどまるよう呼びかける声も見られた。
もちろんこの放送順をどう受け止めるかは視聴者によるが、重厚な脚本や独特のセリフ回し、「God knows...」をはじめとする楽曲の数々、その後のキャラクター像やSFジャンルへの影響など、『涼宮ハルヒの憂鬱』がアニメ史に多大な影響を与えた作品であることは間違いない。
再放送は始まったばかりで、リアルタイム視聴者にとっては当時の体験をなぞる機会となり、初見の視聴者にとっても当時の盛り上がりを追体験できる貴重な機会となる。今後の放送を通じて、本作の評価や受け止められ方が時代とともにどのように変化しているのかにも注目したいところだ。


