■“最強の呪術師”の圧倒的存在感『呪術廻戦』五条悟

 芥見下々氏の『呪術廻戦』は、呪いを祓う「呪術師」たちの戦いを描いたダークファンタジー・バトル漫画。主人公・虎杖悠仁が呪いの世界へ足を踏み入れ、過酷な戦いを繰り広げていく。

 特に印象的だったのが、特級呪霊・花御(はなみ)を最強の呪術師・五条悟が圧倒したシーンだ。花御は森から生まれた呪霊で、樹木を自在に操る力を持ち、他の呪霊とは次元の違う強さを誇る。もちろん、虎杖のような生徒たちの手に負える相手ではない。

 花御は圧倒的な力で虎杖たちを追い詰めていく。仲間たちは次々と倒れ、戦場の空気は完全に花御に支配されていた。そんな中、虎杖とその友・東堂葵は必死に食らいついた。呪力と打撃が完全に一致した瞬間に発生する会心の一撃「黒閃」を叩き込み、反撃を試みる。

 しかし、それでも花御は倒れず、トドメを刺すべく、術が必中となる呪術の奥義「領域展開」を発動しようとする。虎杖たちの身体能力がどれほど優れていようと、領域の中では逃げ場がない。このままでは確実に殺される──そんな絶望的な状況だった。

 そこへ現れたのが、虎杖の担任教師でもある五条だ。彼はどこか気の抜けた様子で現れると、周囲の状況を軽く見渡し、まるで大したことではないとでも言うように口を開く。「少し 乱暴しようか」。

 次の瞬間、辺りの空気は一変した。五条は規格外の呪力を解放し、遠距離から虚式「茈(むらさき)」という大技を発動。膨大な呪力が収束した一撃が、戦場をまっすぐ貫く。撤退しようとしていた花御は直撃こそ免れたものの、左半身に大きなダメージを受けていた。

 それまで虎杖たちを苦しめていた特級呪霊が、たった一撃で戦線離脱へと追い込まれたのである。絶望的だった状況が、一瞬で五条悟の「圧勝の空気」へと塗り替えられた。「最強の呪術師」という異名は伊達ではないのである。

 

 主人公たちが追い詰められた瞬間に颯爽と現れる“最強の師匠”。彼らに共通しているのは、登場しただけで戦場の空気を変えてしまうところだ。絶望が希望へと一変するシーンは、何度見ても胸がアツくなる。あなたの心に残っている“最強の師匠の活躍”には、どのようなものがあるだろうか。

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