『ジョジョの奇妙な冒険』ロメオ・ジッソに『鋼の錬金術師』ヨキ、『ONE PIECE』ヘルメッポも…悪役イメージを覆したキャラの画像
フィギュアーツZERO「コビー&ヘルメッポ」(魂ウェブ)(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (C)BANDAI SPIRITS

 漫画作品において、主人公を苦しめ、読者から嫌われる悪役キャラクターたちは、物語を彩る重要な存在である。

 しかし、なかには初登場時に最低の行動を取りながらも、物語が進むにつれて意外な一面を見せ、これまでの評価を一変させてしまったキャラクターもいる。

 序盤では誰もが眉をひそめる存在だった彼らが、物語の転機を経て贖罪のチャンスを得たことで、思いがけず読者の心を掴む。このような展開にワクワクさせられた読者は少なくないだろう。

 そこで今回は、最悪の第一印象から始まり、後にその汚名を返上したキャラクターたちを見ていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■恋人への罪悪感によって成長した青年『ジョジョの奇妙な冒険』ロメオ・ジッソ

 とある血族にまつわる因縁の戦いを、部ごとに異なる時代や国を舞台に独特のタッチで描く『ジョジョの奇妙な冒険』。1986年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載を開始した荒木飛呂彦氏の代表作であり、今年、第7部である『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』がNetflixにて独占先行配信されたことで、ますます盛り上がりを見せている。

 本作ではメインキャラクターから脇役に至るまで、実に癖の強い個性的な人物たちが登場するが、なかでも当初の悪いイメージから評価を大きく上げたのが、第6部に登場するロメオ・ジッソだろう。

 物語の冒頭、主人公・空条徐倫のボーイフレンドとして登場したロメオは、ドライブの最中にヒッチハイカーを轢き殺した事故の罪を弁護士と結託して徐倫1人になすりつけ、刑務所送りにしてしまう。

 そんな彼が再登場を果たすのが、徐倫が刑務所を脱獄した後の一幕である。突然現れた徐倫に驚愕しつつも、ロメオは涙ながらにかつての行いを必死に謝罪する。精神的に成長を遂げた徐倫は彼を許し、現金と乗り物のキーを受け取ってその場を立ち去る。

 しかし、徐倫が去ったのを確認した直後、ロメオはすぐに警察に通報する。誰もが再びの裏切りを確信した瞬間であったが、彼はなんと警察に虚偽の情報を伝え、徐倫たちの逃走を手助けしたのだ。この予想外の行動には、監視していた徐倫自身も「意外だった…見直したわ」と呟いていた。

 徐倫に対して本心からの罪悪感を抱いていたことがうかがえるこの行動は、自己保身を最優先していた青年が自らの過ちと向き合い、確かな成長を遂げた証といえるだろう。

■悪代官の持つ意外な才能…『鋼の錬金術師』ヨキ

 錬金術と呼ばれる力が発達した世界を舞台に、禁忌を犯した兄弟の旅を描いた『鋼の錬金術師』。2001年より『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)にて連載された荒川弘氏の作品で、ダークファンタジーな世界観やド派手な能力バトル、緻密に描かれる人間模様など多くの見どころを持つ大人気作品だ。

 本作において、意外な活躍で読者の印象をがらりと変えたのが、アメストリス国軍中尉として登場したヨキである。

 少し剥げあがった頭とちょび髭が特徴的なヨキは、賄賂を使って炭鉱主から中尉に成り上がり、炭鉱街「ユースウェル」で圧政を敷いていた、いわゆる典型的な悪代官的なキャラクターだった。

 しかし、主人公のエドワード・エルリックとその弟、アルフォンス・エルリックによって悪事を暴かれ、全てを失い失脚。その後、浮浪者として生きていたが、奇妙な運命に導かれ、国の存亡をかけた戦いに巻き込まれていくことなる。

 その過程でヨキは、かつて自分を破滅させたエルリック兄弟と再会。成り行きとはいえ、彼らの逃走を手助けすることになり、かつて得た坑道の知識を活用すなど、思わぬ才覚を発揮してみせた。

 そして物語終盤、彼は強敵・プライドとの戦いでも意外な形で参戦する。なんと車で救援に駆け付け、そのままプライドを跳ね飛ばし、絶体絶命のアルフォンスらを救うという大金星を挙げたのだ。

 涙目になりながらハンドルを握る姿はコミカルであったが、それでも錬金術師でもない一般人が最強クラスの敵・ホムンクルスに一矢報いたのは、実に大きな功績といえるだろう。

 序盤で退場するチョイ役かと思いきや、物語の重要な局面で主要キャラクターたちを支えた、非常に印象深いキャラクターである。

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